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就学前教育の充実は「女性活躍」にも不可欠 国際機関が指摘 ‐ 渡辺敦司

安倍内閣は「経済再生」と「教育再生」を最重要課題として掲げ、経済再生ではアベノミクス「3本目の矢」の成長戦略の一つとして内閣改造により女性活躍担当相を置くなど、女性の活用促進を重要政策としつつあります。一方、教育再生では幼児教育の段階的無償化(外部のPDFにリンク)に着手しており、先頃まとめた教育再生実行会議第5次提言でも財源を確保しつつ段階的に無償化する方向性を政府として明確に打ち出しました。この一見別々な課題について、「生徒の学習到達度調査」(PISA)の実施でも知られる国際機関、経済協力開発機構(OECD)は、両者を結び付けて推進することが日本にとって重要だと指摘しました。どういうことでしょうか。

OECDがこのほど発表した「図表でみる教育」(外部のPDFにリンク)の最新統計によると2012(平成24)年、日本の3歳児の78%が就学前教育機関(保育所を含む)に在籍しており、OECD平均の70%を上回っています。こうした状況を以前からOECDが「グッドニュース」として評価していたこと、質の高い幼児教育がその後の成績や社会に出てからの成功にも大きな影響を及ぼすことは、過去の記事で紹介しました。
テレビ会議方式で日本向けに記者会見を行ったアンドレア・シュライヒャー教育局長は、2005(平成17)年から12(同24)年までに3歳児の在籍率が9ポイント伸びたことと、同じ時期に25~34歳の女性の就業率が5ポイント伸びたのは、実は連動していたと分析。「就学前教育を拡大することは、幼児が教育面で恩恵を受けるだけでなく、より多くの女性が労働力として参画することに寄与する。日本の課題は、3歳児より幼い子どもを就学前教育に預けることだ」と指摘しました。

日本ではかつて、幼稚園は「教育」、保育所は「福祉」と、行政分野が縦割りになっていました。そうした状況に対して、課題だった幼保一体化に乗り出すため2006(平成18)年、両者を「就学前教育」と捉えた「認定こども園」制度を創設しました。同園では2歳まで保育を行ったあと、3歳児以降は保育とともに教育を行いやすくなります。ただ、年々増加しているとはいえ2014(平成26)年4月現在で全国1,359園にとどまっていることに加え、2015(平成27)年度からの移行が予定されている「子ども・子育て支援新制度」で国からの給付方法が変わることにより認定にブレーキが掛かってしまうのではないかとの心配も出ています。

女性の就業拡大をめぐっては、待機児童の解消が都市部を中心に喫緊の課題となっています。OECDの指摘と併せ考えれば、単に現下の景気回復に資するだけでなく、将来を担う次世代の人材育成にとっても、就学前教育の充実は重要性を増していると言えます。消費増税など財源問題が大きく横たわっていることも事実ですが、経済再生と教育再生が最重要課題だという安倍内閣なのですから、ぜひ政治主導で大胆な就学前教育の充実策を打ち出してほしいものです。

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