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「福島放射線国際専門家会議」その1―放射線と健康リスク

少し報告が遅れてしまったが、9月8日と9日の二日間、日本財団主催による「放射線と健康リスクを超えて~復興とレジリエンスに向けて」と題する会議が、外国の一流の専門家が参加し、笹川記念保健協力財団、福島県立医科大学、長崎大学の協力を得て、福島ビューホテルで開催された。

今回の会議は、原発の是非について議論する会議ではなく、原発より放出された低線量放射線状況下における健康リスクと、これに関連した社会的・心理的問題について分析し、解決の方策について議論する会議であった。

「放射線と健康リスクを超えて~復興とレジリエンスに向けて」というタイトルが示しているように、震災・原発事故後3年が経過した福島の被災地の現状は、2014年8月現在、127,471名(県内 80,322名、県外 47,149名)の避難者がいまだ存在している。これら避難生活者の問題をはじめ、解決すべき問題について内外の専門家の知見を共有し、今後の復興とレジリエンスに向けた方策を考えるのが趣旨であり、日本はもとより、広く世界の人々に福島の現状を正しく理解していただくため、会議は日本語、英語でユーストリームを通じて同時放映された。

以下は私の発言要旨です。
******* *************
2014年9月8日
於:福島ビューホテル


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この会議に国際機関や政府機関、研究機関、地域の公衆衛生や医療サービスを行っている医療機関の代表の方々にお集まりいただいたのは、放射線と健康リスクを超えて、福島のレジリエンスと復興について議論するという共通の目的のためです。

2011年3月11日、東日本地域は前例のない大地震と津波に襲われました。さらに、福島第一原子力発電所での事故が引き起こされ、福島では15万人以上という多くの人々がこの地を離れることを余儀なくされました。そして当然のように、当時放出された放射線物質による健康リスクに関して、人々は強い懸念を抱いていました。流言蜚語(無責任な噂、デマ)が飛び交い、不安を煽るようなメディアやインターネットの情報により、社会は混乱に陥りました。

このような時期、日本財団と笹川記念保健協力財団は、10年間にわたりチェルノブイリ原発事故で人道支援活動を行い、その時にご協力をいただいた放射線と健康リスク分野の専門家をはじめ、世界各地の専門家の方々のご協力を得て、福島県立医科大学とともに第1回福島国際専門家会議を開催しました。

短い開催周知期間であったにもかかわらず、国内外から放射線と健康リスク分野の40名以上の専門家の方々が私たちの呼びかけに応えてくださいました。そして、福島県立医科大学のご協力により、第1回会議は成功裡に終わりました。

震災からわずか6カ月後という時期でしたが、専門家の方々が集まり、放射線が健康に与える影響について科学的な根拠に基づいて検討され、会議終了の殺気立つ記者会見では、被災住民はもとより、世界中の人々に正しい現状を報道していただきたいと、外国人専門家と共に無制限時間の記者会見(実際は3時間半)も行いました。これにより放射線と健康リスクについての理解増進に、ささやかながら寄与出来たと考えています。

議論の結果と提言は日本政府に提出されました。それらの資料は日英の2カ国語で作成され、誰でもオンラインで自由にアクセスできるようにしました。

第1回の会議以来、国内外の多くの方々が活動に携わり貢献されてこられました。福島県立医科大学では、福島の住民の健康を見守るための県民健康調査を続けています。また、福島県は、県民健康調査に関する報告書を定期的に発行しています。さらに、様々な国際機関や放射線の専門家、科学者の方々が福島の現状についての調査、分析を続けています。福島の状況に関する報告書を発行している組織もありますし、福島の復興のために、地域の方々が問題や課題を洗い出す対話の場を設ける活動をしている組織もあります。

このような状況を鑑み、私たちは、今、多様な活動に携わっている専門家の方々が一堂に会する場を設けることは、時宜を得ているのではないかと感じました。本会議の特徴は、専門家の議論に加えて、原発事故の影響を受けた地域の住民の方や臨床医、保健師の方々に議論に参加していただくパネルを設けたことです。このように地域の方々の生の声を聞くことにより、この原発事故が精神的、心理的な面にどのような影響を及ぼしているかについても、より理解を深めることができるのではないかと思います。

本会議を通じて、国内外の専門家の皆さまが様々な情報を共有・分析し、多角的に福島の現状について議論してくださり、その過程を通じて、福島の復興とレジリエンスが確かなものになることを期待しております。今回のシンポジウムでも、議論の結果と提言を日本政府に提出し、それらの資料を日英2カ国語で作成した上で、国内外の人々からオンラインで広くアクセスできるようにします。

*「レジリエンス」とは微妙な意味を持った言葉で、ガバナンスと同様に正確な日本語訳が出来ない。「精神的回復力」「復元力」というような意味で、震災以降「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き伸びる力」という意味で使われているらしい。政府も様々な取り組みの中で使っているが、私個人的としてはあまり賛成しかねる言葉ではある。

「福島放射線国際専門家会議」その2―放射線の影響はほとんどゼロ―

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