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日米欧の国債がバブル相場へ直走る可能性

10月に入り、相場の様相が少しおかしくなってきた。1日の米国株式市場でダウ平均は238ドルもの大幅下落となった。この下げの要因として、米国内でエボラ出血熱の感染が確認されたことが挙げられた。たしかに、運航に支障が出るとの見方からデルタ航空などの航空株が売られ、輸送株全体も下げていた。また、民間株主への利益還元を求めた裁判で、裁判所が株主の訴えを退けたことから、ファニーメイとフレディマックがそれぞれ40%近い株価急落となった。これも少なからず影響したと思われる。

 しかし、注意すべきは先週のダウ平均の乱高下であった。何かしら大きな相場の前兆を思わせるような動きが続いたあとの、1日の米株の大幅な下落であった。しかも、2日にはECB理事会、3日の9月の米雇用統計を前にしての大きなポジション調整は意外感があった。

 さらに米国内でエボラ出血熱の感染確認によるリスク回避の動きもあってか、米債が大きく買われ、10年債利回りが2.4%を割り込んできた。10月のFOMCでのテーパリング終了、さらにはその後の利上げも意識されているにも関わらず、米長期金利は9月はじめの水準近くまで低下している。米長期金利は今年初めからの低下トレンドが、9月初めからの上昇で変化したのかと見ていたが、どうもそうではなかった可能性もでてきた。

 ただし、1日の米債の動きには、ビル・グロス氏がPIMCOを退社しジャナス・キャピタル・グループに移籍したことに関わるポジションの調整などが影響していたとの指摘もある。たしかに一日で0.1%も動くには、ある程度このようなポジションの調整なり、大きなショートカバーなりが入った可能性はある。

 この米債高に呼応するかのように、英国債も買われている。英国の10年債利回りは1日に2.36%に低下した。こちらも9月初旬の水準に低下するなど米国の長期金利と似たような動きをしている。英国のイングランド銀行も利上げの可能性があるにも関わらずである。

 ドイツの10年債利回りも、すでに0.90%に低下し、やはり9月はじめの水準に低下し、過去最低水準を再び狙う位置にいる。このドイツの利回り低下は、ECBが追加緩和をも辞さない構えを見せていることで説明はつきやすいが、結局、そのECBの金融政策とドイツの長期金利低下そのものが、米英の長期金利の低下を促しているともいえる。

 ECBが量的緩和を導入することになれば、ユーロ圏内の国債買入れが実施されると予想される。ユーロ圏内の国債のなかで最も安全性が高いのがドイツ国債となる。そのドイツ国債は来年の新規国債の発行が行われず、借り換えの国債は発行されても需給面ではかなりタイトになる。そこにECBの買入れが入るとなれば、日銀の量的・質的緩和決定後の日本の長期金利が0.3%台をつけたような状況になることも予想される。

 ドイツの長期金利が低下すれば、英米の長期金利の水準が相対的に高く見え、割安感も出てくる。需給面からみて英米の国債が買い進まれるのは理解できるが、その分、ファンダメンタルズとのかい離も大きくなる。

 ファンダメンタルズとのかい離といえば、日本国債も同様にかい離が生じているが、10年債利回りは0.5%という水準を維持している。ドイツの10年債利回りがさらに低下して、日本の長期金利に接近すれば、今度は日本の長期金利のさらなる低下を促すことも予想される。

 ECBの量的緩和については、ドラギ総裁の発言等からみて可能性は十分ある。ただし、もしそれが実施されると、日米欧の国債はドイツの国債急騰などをきっかけとして、バブル相場の最終局面を迎える可能性がある。

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