数日前から多く取り上げられるようになりましたが、確かに似ていますね。同じアニメキャラクターの兄弟だと言っても、誰も疑わないでしょう。
始めは「カツオにゃんこ」がパクったとネット上などで疑惑をかけられたそうですが、同キャラクターを作った高知県の株式会社濱惣によると、2011年6月には既に世に出ており、妖怪ウォッチ「ジバニャン」の2012年12月より早いとのこと。
同社関係者がTVでインタビューに答える姿を何度か見ましたが、「子どもたちに間違われて嬉しい」「せっかくですので、一緒に人気になりたい」と前向きな姿勢。
これが日本だなーとホッとしてしまいます。
もし、この状況が米国で生まれたら、今頃は出版社、キャラクターデザイン会社、そしてメーカーまで一網打尽に多額のIP(知的財産権)訴訟を受けてしまっている事でしょう。
(私は「グリーンティー(緑茶)カフェ」を作った際に、緑の円形ロゴを使っただけで、スタバから訴訟すると内容証明便を送られた経験があります。その時の様子について興味がある方はコチラ)
しかし、反面、日本人の商標権などに対する緩さを表しているとも思ってしまいます。世界的なビジネスの常識では、IPの価値を非常に高く評価し、特許権等が多額の資産として計上されているのです。M&Aの際も、対象企業の知的資産(特許権や著作権の他ブランド、営業秘密等も)が直接の目的となることが多々あります。
日本企業がキャラクターの権利を安価で譲渡してしまい、本来得るべき利益の何百分の一しか手にしていないという話は沢山あります(有名なところではポケモンもそのひとつです)。
まあ、カツオにゃんことジバニャンのケースでは、争わずに仲良くやるほうが得策だと思います。法廷で争っていたら、両方の人気が暴落してしまうでしょうし、真似をしたというエビデンスが出なければ、逆にジバニャンがカツオにゃんこを「機会利益の損失」として逆訴訟するドロ沼劇が想像できます。
子供たちの夢のためにも避けてもらいたいですね。
しかし、先にキャラクターとしてデビューしていた先輩カツオにゃんこに敬意を表して、妖怪ウォッチに登場してもらうなんてのも面白いかもしれません(その際に将来的に喧嘩になる可能性を契約などでリスクマネジメントしてしまった方が良いでしょう。キャラクター商品の取り扱いなど、新たな紛争の火種も生まれますので)。
カツオにゃんこも体がカツオになってしまった妖怪猫(?)。親和性は十分あるのではないでしょうか!
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- 2014年09月29日 11:25