記事

<大人たちのベビー・ビジネス>赤ちゃんは「契約」の当事者ではない


山口道広[ジャーナリスト]

***

生殖医療はベビー・ビジネスを生み、「赤ちゃんの売買」を生み出した。話題のタイの「代理母」問題は悪いのか? 生殖医療は悪魔の業なのか?

米国では精子提供、卵子提供、代理出産(借り腹、代理母)などはみな合法的な医療である。契約の国アメリカならではの仕儀か、全てはビジネスに直結している。そうした医療のエージェント業は巨大ビジネスとなり、今や精子、卵子はインターネットでの購入さえ可能になっている。しかし、そのような背景には多く貧困があることも常に考えるべきであろう。

考えるべきことは山積している。

「一夫一婦制」そのものはどうか? こどもが「出自を知る権利」はどうか? 親子・相続関係はどうか? 「障害」を持って生まれた時はどうするか? 技術だけが先行してしまい、考えの至らぬままの見切り発車が増える中で、その先は医療技術の後始末を福祉に委ねることとなるのだろうか。

「当事者間の自己決定」だから、その意思自体は尊重されるとしても、果たしてそれは普遍的なものなのか? 心変わりはないのか? 書面の契約のとり交わしだけで一切了解といえるのか? 疑問は尽きない。

なにしろ、生まれてくる赤ちゃんは「契約」の当事者ではないだけに問題は先送りされる。赤ちゃんもやがて赤ちゃんでなくなる。ひとのライフサイクルと人権が考えられていないのではないだろうか。

あわせて読みたい

「生命倫理」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    竹中氏もMMT認めざるを得ないか

    自由人

  2. 2

    株バブル過熱で短期調整の可能性

    藤沢数希

  3. 3

    韓国はなぜ延々謝罪を要求するか

    紙屋高雪

  4. 4

    なぜベーシックインカムに反対か

    ヒロ

  5. 5

    斎藤佑樹からの連絡「戦力外?」

    NEWSポストセブン

  6. 6

    コロナは若者に蔓延? 医師が仮説

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    上司無視…モンスター部下の実態

    PRESIDENT Online

  8. 8

    共産党の式欠席に「ありえない」

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  9. 9

    渋野騒動 日テレのスポーツ軽視

    WEDGE Infinity

  10. 10

    コロナ死者数に含まれる別の死因

    青山まさゆき

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。