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世の中がどう変わっていくかに興味がある / WIRED編集部インタビュー

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なにをやっても基本的には同じこと

Q.今後取り組んでいく予定のテーマがあれば教えてください。

若林:デジタルが何をもたらすか、ということについていえば、おこることってのは基本的にはどの業界でも同じことなんです。ゲームの話もやりました、学校や政府の話もやりました。結局、既存の制度が脱中心化され、民主化されていくんですね。そういうことがまだ起きていない業界というと、医療と金融くらいなのかなと思います。

どの業界にもデジタルを持ち込むと、これまでそれを束ねていた中央集権的な構造が解体し、民主化され、脱中心化していく。エネルギーでも、音楽でも、出版でも、あらゆる業界で同じことが起きている。それはデジタルテクノロジーが持っている「P2P(peer to peer)」性というか、中央を経由しないで末端同士が直接つながっていける、ということなんだろうなと思うんですけどね。僕らがそれを見たがっているというよりは、時代に合わせて必然的に社会全体がそういう方向に向かわざるをえないと思うんです。

医療は興味ありますよ。医者は特権的な職種で、自分の体の情報を自分以上に持っているわけじゃないですか。そこにデジタルテクノロジーをいかに取り組むか、まさにウェアラブル端末などはどうやって取り入れるのか、というものだと思うんですけど、おもしろい領域かなと思っています。

世の中がどう変わっていくかに興味がある

若林:先端の技術自体にそんなに興味がないんです。世の中がどう変わっていくかに興味があります。
これはよくする話ですが、戦後すぐにある大作家が、敗戦してこれから日本も国際化しないといけない、ついては日本語をアルファベット表記したら良いのではないかと言ったんです。基本的にとんちんかんな話じゃないですか。そんなアホな話あるかと思いますよね。でも僕たちは日本語をローマ字表記にしないけど、パソコンという国際規格のものが持ち込まれると結局ローマ字で日本語を書いているわけです。それって結局ヒヤっとする話だと思うんですけど、そういう形で未来ってものはいつのまにか僕たちの手元にやってくるんだということなんだと思うんですけど、そういう未来のありようっておもしろいなぁと思いますね。
ずっとWIREDが言い続けている言葉で、"Future is already here.(未来はすでにここある)"という言葉があるんですが、基本はそうだと思います。

できるだけかっこ悪い話を聞かせて欲しい

Q.WIREDに取り上げてほしいというアプローチが企業からあると思います。

若林:よくタイアップとかやるクライアントには、俺らがいかにすごいかなんていう話は誰も共感してくれませんよ、という話をするんですよ。
それよりも、これを作るのにどれだけ失敗を重ねたかとか、そういう話とかのほうが共感されるんです。ファッションブランドなどは情報を出さずに、情報を隠せば隠すほど幻想性が高まって、自分たちが高みにいられるというやり方をしてきたけど、そこにソーシャルメディアが関わった瞬間にその論法が成り立たなくなるわけです。そこでは、極端にいえばいかに友達のように振る舞えるかということが大事になるので、自慢話ばかりしているやつ、嘘つくやつ、隠しごとするやつとは友達になりたくないわけです。よりフランクで、間違ったことしたらすぐ謝るとか、そういうふうなことが大事なのかなという気がします。かっこつければ、かっこつけようとするほどかっこ悪いから。
WIREDに持っていけば自分の会社もかっこよく表現してくれるんじゃないか、みたいなことは言われるんだけど、逆なんですよね。できるだけかっこ悪い話を聞かせて欲しいと言っています。作っている社長さんがすごく面白いとか、なんか変わったバックグラウンドを持っているとか、読者がいいね!ってしたくなるようなものがあるといいなぁと思います。

***

WIREDでは、今度デジタルハリウッドの授業プログラムとして「ワイアード・ゼミナール」というコースを開始します。これまで誌面で特集してきたような情報を、さらに一歩踏み込んでクリエイター向けの講義として聞くことができるそうです。他にも新しいプロジェクトをいろいろと検討中とのことで、雑誌が持つ資産をいかした新しい試みをおこなっていくようです。

「ワイアード・ゼミナール クリエイティヴにいかす先端科学入門」〜でっかいアタマで考えよう!〜
http://school.dhw.co.jp/p/wiredseminar/

デジタルテクノロジーが与える生活への変化は、極めて広範囲に及ぶようになりました。表面的には見えなくても、裏側では大きな変化が起きている場合もあります。そういった中で、"それでも変わらないもの"を正しく見極めていく力も重要になっていくのではないでしょうか。

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