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変額保険の「運用益引き出し」を利用しないで!!!

為替が1ドル=110円に迫り、米国株式市場も日本の株式市場もすこぶる順調に推移。

6年前、リーマンショック時には大泣きしていたクライアントが、今度は欲望に負けないか私は大いに心配している。

特に変額保険!20年、30年と長きに渡り継続して積立できる金融商品として16年前の創業期から弊社が推奨する保険商品の一つである。

弊社での取り扱いは投資信託と双璧をなす。この変額保険、提供する保険会社によっては運用益が中途で引き出せるタイプのものがある。

どこかの馬鹿者(自身は名のある金融アドバイザーと吹聴している)が、ここ数年(リーマンショック以降)の相場上昇に便乗して、変額保険は短期間でリターンの獲得できる金融商品であるが如く説明をして、保険の契約者に掛金の払込期間(3年、5年)をより短く設定させて(掛金の払込期間を短くして、月払の掛金をより大きくし、払込総額を一気に集中して投下させている)、儲かれば掛金の一部を中途引き出し出来る便利な魔法のような商品として販売推奨しているようだ。

無知な金融セールスマンがこのセールス話法に飛びつかないはずは無い。一昨年より続く世界の株式市場の好調さに便乗し、保険の契約者に≪掛金の中途引き出しの出来る保険商品≫として大々的に薦めている。

過去にも当該コラムで紹介したが、変額保険には本当に本当に本当に悲しい歴史を幾度も繰り返してきた。1980年代のバブル時代に大手保険会社が大手銀行とタイアップして「一時払い」で掛金を支払わせ、「日本株式」に集中投資させた。

結果として保険契約者に多大な迷惑をかけた。当時は銀行が一時金として支払う掛金の全額を貸してくれたために、とんでもない金額の契約がなされていた。バブル崩壊の日本株式の下落により保険契約者の被害額は千万、億円ととんでもないものになった。

1990年代の後半のITバブル時にもアメリカ最大の変額保険を提供する保険会社が上陸し、無知な保険代理店をあおり、株式市場の好調に便乗し変額保険を販売した。その保険会社はITバルル崩壊により日本からの撤退を余儀なくされた。

そして2003年から2007年のミニバブル時、日本のメガバンクの窓口で「一時払い」の変額保険が団塊の世代の退職金を獲得するために、ここぞとばかり販売推進された。

ご存知のとおり、リーマンショックにより変額保険のメーカーである保険会社は銀行の窓口販売から撤退し、販売を担当したメガバンクは変額保険の販売を自粛した。

いつの時代も取り残されるのは≪勇気をもって挑戦した変額保険の契約者たち/顧客≫である。

一昨年以降の日本株式と米国株式の急上昇に便乗して再び、無知で販売額のみを重視するアホな保険セールスマンたちが≪再び≫同じ事を行い始めた。

愚かである!本当に愚かである!!!

弊社のクライアントの一部にもこうしたセールストークに振り回され変額保険の運用益の一部引き出しを申し出る方がおられる。

もちろん、最終責任はクライアントにあるので、強制的に引き出しを停止することは出来ないが、弊社では変額保険に加入した目的の再確認と引き出しすることのデメリットを丁寧に、そして誠実にお伝えし、運用益の引き出し申出を止まるようにアドバイスしている。

変額保険は保険商品の一種である以上、幾許かの死亡保障が付いている。そのために投資信託よりも運用にまわされる資金(掛金)が少なくなるデメリットがある。

ただし、保険商品であるが故に強制的に掛金が引落されるために、特に大暴落時に、継続的に掛金を投じることが出来る(投資信託の場合、元本割れの恐怖に負けて積立を停止するケースがある)。

すなわち保険契約者の精神状態にかかわらず大バーゲンセール時(価格の安いとき)には必ず投資資金(掛金)を継続的に追加投下(買付続けることが)できる、真に便利な金融商品である。

弊社では全クライアントが「掛金月払」の設定をしているために、ドルコスト平均法(定時定額購入)のメリット(安いときに買付個数を増やし、高いときに買付個数を減らす合理的な投資手法)も最大限享受できるのである。

いつも話すように投資運用は、長期間にわたり継続しなければ成果が大きくならない(リターンが大きくならない)。

複利の効果にしても運用期間が長ければ長いほど、その成果はより大きなものになる、一時の小銭を獲得するのではなく、大きな資金を獲得してもらってより楽しいライフプランの達成に役立てて欲しいと考え、≪長期運用≫を弊社では推奨している。

にもかかわらず短期的に幾許かの運用益が出たからと資金を引き出してしまえば、将来の大きな楽しみは半減してしまう。

そんなことは誰が考えても分かるのに、【欲望】に負けてしまい、アホな保険セールスマンの親切ごかしなアドバイスに翻弄され、簡単に投資運用の基本ルールを踏みはずしてしまう。

本当に悲しい限りである。

「運用益が出たら引き出し、相場環境が悪化し下落したら資金を投下する」。そんな器用なことが継続的かつ長期的にできるはずはない(ノーベル賞を獲得した経済学者たちでも、NYウォール街の天才たちですらできなかった)。

余裕が無いから、お金を稼ぐ力が弱いから、給料が少ないから、少しでも、ほんのわずかでもお金が殖えると、一部運用益の出た資金を引き出してしまうことは十分に理解できる。

が、しかし≪将来のことは誰にもわからない≫と言うことを忘れてはいけない!!!

マーケットがいつまで上昇続けるのか、いつ再び下落するのかなど誰にもわからない。だからこそマーケットに居座り続けることが寛容なのである(運用資金を引き出さないことが寛容)。

≪使わない資金はマーケットに居座り続けさせる≫というのは簡単なようで、なかなかむずかしい。お金が増えたり減ったりする都度、「うれしい」「悲しい」の感情が交互に押し寄せてくるから。

財コンのクライアントの皆さんには、そんな感情のゆれに惑わされないで、本当にドンと構えておいて欲しい!!!

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