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ダイエーの上場廃止に思う

イオンがダイエーを完全子会社し、ダイエーは来春にも上場廃止となるようです。

私は生まれも育ちも兵庫県で、ずっと神戸の近くにいましたので、ダイエーと(当時の系列だった)ローソンは身近な存在でした。当時はまだセブンイレブンが兵庫県に進出してなかったため、スーパーといえばダイエー、コンビニといえばローソン、という感じでした。

ダイエーが私にとって「特別な存在」となったのは阪神大震災の時です。有名な話だと思いますが、1995年1月17日午前5時46分の大地震発生から約1時間後の午前7時にダイエーは災害対策本部を設置し、360名の応援部隊を東京と福岡から神戸入りさせることを決定しました。そして、午前8時にはヘリコプター、フェリー、タンクローリー、トラックなど陸海空の輸送手段の確保に入り、午前中には新木場のヘリポートから神戸に向かって大量の物資が運ばれたのです。村山内閣が閣議で非常災害対策本部の設置を決定したのが震災から4時間後の午前10時でしたが、その時には既にダイエーは物資の輸送の準備に入っていたのです。

ダイエーは、震災発生当日の17日と翌18日は、正月の休日振替日で全店休業予定でした。しかし、17日の午前7時半の時点で、開けることができる店はすべて開けるように指示をします。ダイエーやローソンの店舗自体も大きな被害を受けましたので開店できない店も多くありましたが、それでも電気が通っている店は終夜明かりを灯すように指示を出します。

この明かりが、どれほど神戸の人々の不安をやわらげ、勇気を与えたことか・・・。

私は、政府の対応の遅さに絶望すると共に、ダイエー創業者の中内功という人物のリーダーシップに深く感動しました。当時大学生だった私は、それ以降、中内功関連の書籍をむさぼり食うように読んだものです。今では経営不振の象徴のようになってしまいましたが、当時は流通に革命を起こした小売業ナンバーワン企業であり、多角化のモデルケースのような企業でもありました。学生時代、何十冊と読んだ中内本は、大学のどの授業よりも有益で、刺激的で、中内功という偉大なるカリスマに憧れを抱いていました。

そのダイエーが、上場廃止となり証券市場から名前が消えるということは、なんとも残念でなりません。再び明かりを灯して欲しかった・・・、ただただそんな想いです。

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