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リクルートという幻想












盟友常見陽平の『リクルートという幻想』をハラハラしながら読んだ。

過激なトークやプロレスプレーで有名な彼だが、根はめちゃめちゃに優しい。お人好しすぎるほどのお人好しだし、まじめすぎるほどにまじめな男だ。 その優しさが邪魔をして、序盤戦、古巣を相手に攻めあぐね、なかなか技を繰り出せないでいるような感じがした。

そこにハラハラしたのだ。

しかし後半になると、有効打を繰り出しはじめる。

そして彼が「幻想」と呼ぶものの正体がだんだんと明らかになってくる。

元リクとしては「あるある」本として楽しめる。 やたらと「元リク」をアピールする面倒な人と仕事をしている人にとっては、痛快でもあると思う。

ただ、常見がいう「幻想」とはそういうことではないことが、後半になるとわかる。

世の中を変えてきた企業、既成概念にとらわれない企業というイメージは、すでに過去のものではないかという指摘だ。 日本経済が成長期から成熟期へと移行したときに、リクルートの存在意義は変わったのかもしれない。 まさにその移行期に、僕たちはリクルートに入社した。

そこで覚えた違和感を、常見はずっと抱え、今やっと言語化したのだと思う。

「もっと大胆に書いちゃえばいいのに!」とちょっと物足りなく思うところもあった。逆に「それは常見の個人的な思いでは?」と感じるところもあった。しかし、彼がこれを魂を込めて書いたという思いは十二分に伝わってきた。

そのパッションを与えてくれたのも、また、リクルートであったということであろう。

ちなみに、僕は子どもが生まれたことをきっかけに、リクルートをやめることを決意した。
もしリクルートに勤めていなかったら、そんな大胆な決断はしなかったかもしれないとときどき思うことがある。

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