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盗撮関係で不起訴二件

盗撮は無条件で悪、という風潮の中、被写体の許諾を取らない撮影行為がすべて違法ということになりかねなかったが、次の件は、ギリギリで踏みとどまったというところであろうか。

電車内で女性“全身盗撮” 逮捕の男性を不起訴処分

川崎市環境局に勤務する40歳の男性職員は先月28日、東急田園都市線の下り電車の中で、隣に座っていた女子大学生(当時21)の全身をUSB型の小型カメラで撮影したとして現行犯逮捕されました。警察によりますと、男性の動きを不審に思った女子大学生がその場で取り押さえました。逮捕当時、男性は容疑を認めていました。横浜地検川崎支部は先月30日、男性を処分保留のまま釈放し、在宅で捜査してきましたが、17日に不起訴処分としました。理由は明らかにしていません。

勝手に姿かたちを撮影されれば、肖像権侵害ということにはなりうる。それだって無条件で権利侵害と認められるわけではないが、電車に乗っている時に執拗に撮影されれば、拒否する権利も出てこようというものだ。

しかしそれは民事のお話。刑事的に犯罪として抑止しなければならないかどうかは別だ。刑事法は謙抑の原則があり、個人の行動の自由を裏から支えるのが罪刑法定主義である。つまり誰かがケシカランと思うだけで処罰して良いということにはならないというわけだ。

上記の件で勝手に撮影された女性が止めてほしいと考えるならば、民事責任を追及すれば良い。

もう一件は、やった方に正当性はないが、しかしワナに嵌められたことを正当に評価すべき案件だ。
ミニスカ女、前かがみで誘惑…盗撮に当たらず

例の美人局事件であり、盗撮をわざと誘ったことから、そもそも被害がないとしたものである。
もっとも、盗撮という行為自体を許すまじと考える人々からすれば、盗撮対象者がどう思おうと関係なく、スカートの中を無断で撮影しようということ自体で刑罰を科すべきと考えられるのかもしれない。

一般的にはそういう考え方も分からないではないが、盗撮対象者の側から悪意をもって誘い込んだケースまで、そのように考えるべきというのには賛同できない。

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