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「やりたいことが分からない」僕達はいつそんな大人になったんだろう

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人間はいつ、「生きてることがそれほど楽しくなくなった」て思うようになるんだろう。いつ「人生でやりたいことが分からない」って感じるようになるんだろう。

「あのね、今日ね、僕ね、幼稚園でね・・・」。息子たちがまだ幼稚園に通ってたころ、僕が帰宅すると彼らは我先に玄関まで飛んできて、今日の出来事を矢継ぎ早に語ってくれた。「大きくなったら何になりたい?」って聞くと、「ゴミ清掃車の人!」って嬉しそうに答えてくれた。

子供のころは、これほどまでに無邪気に生きることを楽しんでいたのに、われわれはいつから人生に苦しみ始めるのだろうか。どこで本来の自分を見失うんだろう。現代社会の何が、われわれを迷子にさせるのだろう。

▶自分のエゴから目をそらさない訓練法

テクノロジーが加速度をつけて進化し始めた21世紀。われわれはますます忙しくなり、時間がますます細切れになっていく。この変化とは裏腹に、いやこの変化ゆえに、人々は自分の心の中を見つめ始めた。マインドフルネスが先端企業の間で広まり始めたのだ。(関連記事:米財界で禅が主流になった?教育、ビジネス、社会を変える「マインドフルネス革命」の兆し)

マインドフルネスは、禅や瞑想をベースにした心の整え方の手法。宗教色は一切なく、科学的な根拠がベースになっている。

経営学も、マインドフルネスを取り入れ始めた。経営者向けマインドフルネストレーニングの第一人者、米Claremont大学のJermy Hunter准教授は「経営学は、自分の外側にあるものをマネージすることばかりを教えてきた。しかし優れたリーダーは自分の内側をまずマネージできなければならないはず」と語る。

そこでHunter氏は、マインドフルネスをベースにした経営者向けトレーニングプログラムを開発した。といっても座禅を組むわけではない。教室の中で、それぞれの体験を語ってもらい、禅の考え方をベースに心の奥底まで見ていこうというプログラムだ。

思考が一人歩きしないように、目の前の事象に集中するプログラムや、何気ない日常の中から存在自体がありがたいモノを探し出すプログラム、自分の感情に注目し、その感情がどこから起こっているのかを徹底的に掘り下げるプログラムなど、「自分のエゴから目をそらすことを許さない厳しいプログラム内容だ」とHunter氏は言う。

そんな厳しい内容にもかかわらず、多くの経営者が受講を希望しているという。ある大手企業の経営者は片道3時間も運転して受講し続けた。くせのある人物として有名な経営者だった。目つきが悪く、すぐにカッとなる。教授たちはみな、彼のことを怖がっていた。

この経営者はクラスの一番前に座った。最初のころは、ほとんど口を開かなかったという。しかし日を重ねるにつれ、彼は少しずつ自分のことを語り始めた。彼によると、メールが毎日、洪水のように押し寄せてくるのだという。決断しないといけないことが次から次へとやってくる。幾つものプロジェクトを同時並行で進めなければならない毎日に、彼は押しつぶされそうになるのだと言う。「売り上げを伸ばさなければならない」「利益を挙げなければならない」。こうしたフレーズが、まるで呪文のように頭のなかで繰り返される。そのプレッシャーとストレスから逃れられない生活なのだという。

そうして心を少しずつ開いていく中で、この経営者はあるときポツリと語った。「変な話だけど、被害者を演じることを、実は楽しんでいるのかもしれないな」。


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