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- 2014年09月18日 06:15
KDDIがナタリーを買った理由。 ~デジタルメディア・ビジネスデザインという24番目の利益モデルについて~
2/2■メディア運営とビジネス展開という車の両輪。
買収の発表前に、ナタリーというウェブメディアと車の両輪になって進めていくビジネスはどんな物があるか?と考えた時、自分が思いついたものは例えばフジロックフェスティバルのような音楽フェスティバル、ライブハウス運営、レコードショップの運営など、平凡なものばかりだ。KDDIによる子会社化は、ナタリーが自ら新しいビジネスを始めるのではなく、KDDIが自社のビジネスをより加速させるためにナタリーを選んだということになる。KDDIは年間売上が3兆円を超える国内でも有数の大企業だ。これ位の規模のビジネスでなければナタリーが展開するデジタルメディア・ビジネスデザインに吊り合わないと考えれば、買収にも納得感はある。
このように書くとナタリーがKDDIにとって都合の良い宣伝媒体になるかのような印象を与えかねないが、ナターシャの創業者で社長の大山卓也氏は自身のフェイスブックで「親会社ができても、当たり前だけどナタリーの姿勢は変わらない」とコメントした。ツイッターでも同様の趣旨で「個人的には、インディーズでがんばってたバンドがメジャー契約したみたいなイメージで。ナタリーの編集方針は変わらず、バックアップを受けてさらに飛躍の予定です」とコメントしている。KDDIもファンをがっかりさせることはしないと明確に表明しているようだ。
デジタルメディアはあくまで「メディア」であり、ビジネスへの利用も一定の節度が無ければただの宣伝媒体・御用メディアとなり読者の支持を失う。
今後はKDDIのビジネスをより加速させるための施策がナタリーでも当然見られると思うが、KDDIが株式を100%取得して完全子会社にしなかった理由は、経営陣に残って貰い、結果的にナタリーの熱心なファンを安心させたいと考えていたからではないかと思う。少なくとも創業者や現在の役員、編集長が残っている限りにおいては全く心配はいらないだろう。
■5年後、メディアは稼げるか?
佐々木紀彦氏という人が居る。東洋経済オンラインを立てなおしてPVを10倍に増やし、現在はキュレーションアプリ・NEWSPICSの編集長となった話題の人物だ。佐々木氏が書いた「5年後、メディアは稼げるか?」という書籍では、メディア運営とビジネス展開の関係が説明されており、そのビジネス展開は8つに分けられている。
1.広告
2.有料課金
3.イベント
4.ゲーム
5.物販
6.データ販売
7.教育
8.マーケティング支援
これをさらにざっくり3つに分類すると以下のようになる。
1+2=メディア運営(メディアにとっては本業)
4.+5+6=何かを売る(モノかデータかは問わず)
3+7+8=サービスを提供する(セミナーやイベント、コンサルティング。個人向け・企業向けを問わず)
さらに大雑把に分けるなら「メディア運営」と「メディア運営以外のビジネス」という事になる。インターネット普及の影響もあって新聞や雑誌の販売は減少傾向にある。かといって収益力の低いウェブメディアでは出版社で働く給料の高い記者や編集者を雇っていくことは難しい。そこでメディア運営以外の収益も重要、という事になる。
この書籍はあくまでメディアに関する本であるため、1+2のメディア運営による稼ぎ方の話題が中心となっていたが、デジタルメディア・ビジネスデザインはメディア運営とそれ以外のビジネスを車の両輪としてセットで考える。
また、書籍で言及していたのはメディア運営を本業とする新聞社や雑誌社が凋落の激しい出版業界で生き残っていくためにはどうすればいいか?といった話だが、自分が面白いと思うのは出版を主なビジネスとしない企業がウェブメディアを手がける場合や、はじめからウェブメディアとビジネスを車の両輪として考えているケースだ。
企業分析・経済関連の記事は以下も参考にされたい。
■就職活動中の女子大生のために、ゾゾタウンの企業研究を徹底的にやってみた。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/37409548.html
■ライフネット生命の新卒採用課題が難しすぎる件について。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/38194536.html
■就職活動を始めた大学生はNHKのお天気お姉さん・井田寛子さんに学べ。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/34559984.html
■女子大生でも分かる、内部留保と現金の違い。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/30345738.html
■今日から使える、大学生のための会計知識不要の企業分析テクニック
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/20855546.html
■女子大生でも分かる、3年間の育児休暇が最悪な結果をもたらす理由。
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/26039003.html
ではKDDIとナタリーの組み合わせ以外にデジタルメディア・ビジネスデザインはあるのだろうか。実はすでに多数の成功例が企業はもちろん個人でもある。これは次回の記事で書いてみたい。
中嶋よしふみ
シェアーズカフェ・店長 ファイナンシャルプランナー
シェアーズカフェ・オンライン 編集長
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