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「7人に1人は職場に相談相手がいない!」間違えやすい部下との接し方とは?

職場に相談相手がいない人は14.6%(内閣府「国民生活選好度調査」(2007年))という調査結果があります。過去の数値でかつ回答者数も限られた統計情報のため、現在の全ての企業に当てはまるとは言えませんが、実際に、職場内の人間関係で、悩みを抱えている人は少なくありません。相談を出来る人がいないことは、メンタルケアの面でもビジネスの面でも大きなマイナス要素です。

「何でも相談出来る人」の要素はたくさんありますが、その中から上司と部下の関係で、心身の高負荷時に本音を言いづらくしてしまいがちなコミュニケーションの留意事項について、何点かお話しいたします。

■「大丈夫です!」と言わせてしまわないようにする。

日焼けした顔や笑顔での挨拶姿、見た目で“元気そうだ!”と言ってしまったり、言われたことはありませんか?言われた側は、本当は元気では無く、辛い状況下でも“はい!”と答えてしまいがちです。これは、「ヒューリスティックス」といい、見た目や手近にあった情報、頭にすぐに浮かんだことによって、即決的に判断してしまう心理に相当するもので、ふと言ってしまいやすい声のかけ方です。

逆に、忙しかったり、辛そうな姿を見たときに“大丈夫?”という聞き方にも注意が必要です。コミュニケーションが取れている関係だと、“大丈夫じゃない!”と答えられるのですが、そうでは無い人、そう言えない状況があります。対策としては、相手が肯定的に答えやすいように、「大丈夫じゃないよね?」という聞き方をするのがよいでしょう。

そもそも、上司と部下はYESの関係が成り立ちやすいものです。さらに、交渉術としてよく使われる、「一貫性の法則のイエスセット話法(“はい”と答える質問を繰り返すことで、安心感や逆に反論しづらい状況に陥り“いいえ”と言えなくしてしまうもの)」の作用が働くとなおさらです。本音を言いづらい状況を作らないようにするためにも、相手の心身の負荷状況を配慮した声のかけ方をすることが大切です。

■トラブルなどの問題報告は歓迎しよう!

トラブルの報告は、報告する側も報告を受ける側も、決して喜べることではありません。厳しい指導が必要なときもあります。怒鳴られることが怖くて、なかなか報告に踏み切れない人もいます。

そこで大切なのが、厳しい指導やアドバイスの後、必ず“(心の底から)報告してくれてありがとう!”と感謝の気持ちも伝えることです。問題を出してしまったこと自体はNGですが、報告したという行為自体はOKだということ。人に対する印象は何事においても最後の部分が印象に残りやすい(心理学で言う「残存効果」)ことから、厳しい指導やアドバイスなど伝えた“後”に報告してくれたことへの感謝の気持ちを伝えるようにします。

■いつも怒ってばかり、やらせてばかりの印象を作らないようにする。

部下から見て、怒ってばかり、やらさせてばかりの人になっていませんか?成長のためには、いろいろ経験させること気づきを与えることは、大切です。しかしながら、受ける側からすると、また怒られる、またやらせる、そんな気持ち、存在になることで、上司への相談の壁は一層高くなります。

大切なのは、叱ったり指示をした“後”です。叱ったことに対してフォローをしたり、指示した作業をしてくれたことに対しては感謝の気持ちやねぎらいなど、その都度伝えることが重要です。

■メンタル不調を伝えてきたときは、まず話を親身になって聞くようにする。

上司にメンタル不調を訴えたとき、“病院へ行け!休め!薬飲め!”とだけ伝える人は、少なくありません。忙しい状況にある人からすると、そうは言ってもいま休む訳にはいかない、薬を飲んでゆっくり寝ている場合ではないという意識、相談した意味が無く、結局不調を抱えたままになりがちです。

まずは、抱えている問題や負担になっていることなど詳しく話を聞き、病院へ行くという指導をする前に出来ること、例えば仕事の責任分担の改善など、親身になって考えましょう!

■相談しやすい存在になるために考えなければならないこと

相談しやすい存在になるためには、今回紹介したアクション以外に日頃から気を配らなければならないことは、いろいろあります。
自分は、相談されやすく日頃から部下と接していると思っていても、ふとしたきっかけで、相手はそう思わなくなることもあります。

相談できずに抱え込んでしまうこと、メンタル面であれば、回復に時間を要する重症になってしまう可能性が高まります。ビジネスでは、ちょっとしたトラブルで済んだものが、最悪は会社を揺るがす大きなトラブルに至りかねません。改善につながるムリ・ムダ・ムラに気づいても、閉じ込めてしまう恐れもあります。

自分が相談されやすい存在になること、そしてその部下も同じように相談されやすい存在になるためにはどうするべきかを考えてみませんか?その解は、ビジネスリスクを軽減させるだけでなく、業務改善や組織力強化にもつながります。

【参考記事】
■終わらないメンタルヘルス対策に終止符を!ストレスチェック義務化の次なる一手は「QCD」 (海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント)
http://sharescafe.net/40608531-20140831.html
■別れたい彼氏をストーカー行為に至らせないための6つのキーワード「S・A・F・E・T・Y」 (海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント)
http://sharescafe.net/40438168-20140820.html
■理化学研究所 笹井氏自殺の直接原因を心の病の面から考えると・・・ (海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント)
http://sharescafe.net/40285428-20140810.html
■うつ病を再発させないためのポイントは「症状だけでなく、真の原因に手を打つこと」 (海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント)
http://sharescafe.net/39769732-20140709.html
■AKB48襲撃事件から学ぶこと (海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント)
http://sharescafe.net/39143060-20140601.html

海老澤剛 メンタルヘルスコンサルタント PMP Human Future Consulting代表

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