- 2014年09月17日 13:34
IKEA人気に便乗して、独自のニッチを確保した「Semihandmade」
2/34.見積もりに満足したら、同サイトに注文を出す。まだIKEAのキャビネットを所有していない場合は、IKEAからキャビネットを購入する。
5.SemihandmadeがIKEA家具に合わせたドアの製造に取り掛かる。
6.完成したドアが顧客のもとに届く。現時点では、発送できるエリアは米国50州とカナダである。据付は顧客が業者に依頼するか、顧客が自分で行う。
なぜIKEAを選んだのか?
Semihandmadeを創設したのはJohn McDonald(以下マクドナルド)氏。以前はシナリオライターになることを志し、執筆の傍ら、寿司バーでウェイターをして生計を立てていた。
ところが脚本は一向に売れない。34歳になり、焦りを感じだしたマクドナルド氏は大工仕事の経験が皆無だったにも関わらず、家具づくりに挑戦しようと決意。中古家具の塗装直しから入り、2×4材を使った家具の製作に進み、出来上がった作品をフリーマーケットで販売することを始めた。
この売れ行きが好調だったため、次第に真剣になり、本格的な工具を次々と購入し、木工作業に関するハウツー本を読み漁るようになる。さらに知識と技能を身につけるために専門の教室に登録したのだが、「安全対策」がテーマだった第1回の授業に出席する1週間前に、帯のこで右手の小指を失い、薬指の神経を切断してしまう。
しかしマクドナルド氏は怯まなかった。家具作りの修行に直ちに復帰し、どんどん腕を上げていく。「今の自分には、これ以外にうまくできることが何もない」という気持ちが修行に打ち込む原動力になったという。
そして2002年にハンドメイド家具の会社Handmadeを創設。インテリア関係のイベントに参加してマーケティングを行い、細部までこだわった丁寧な仕事ぶりと現代的な作風が注目され、顧客が自然と増えていく。
オーダーメイド家具のビジネスが順調に伸びていたのに、IKEA家具を土台にしたセミオーダーメイド事業に乗り出した理由は何だろうか?
それはカスタマイズ家具を自宅で楽しめる顧客層を拡大したいと考えたことにある。経済が停滞しているとき、システムキッチンをすべて特注できる顧客層は一部の富裕層や企業などに限られてしまう。そこで世間で人気の高いIKEAの汎用製品に視線が向いた。
IKEAの家具は機能性と高い品質、住む部屋や状況に応じて買い足しや組み換えが可能なように設計された融通性が備わっている。しかも品質に比較して、経済的である。IKEA製の家具に、Semihandmadeで特注したドアをプラスしても、他のメーカー製のシステムキッチンを購入する場合に比べれば、30~40%も節約になるのだ。
また、ずっと使っているIKEAのキャビネットに飽きてきたが、まだ使えるのに、買い換えるのはもったいないと感じている消費者にとっても、前面部分だけを交換すれば、雰囲気を一新できるというのは魅力的な選択肢となる。
Semihandmadeの事業コンセプトは、経済面だけでなく、環境の点でも、現代に適していると言えるだろう。



