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イギリス ピンチ?

明日9月18日、イギリスで『スコットランド独立を問う国民投票』が行われる。

イギリス(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの王国から構成される連合国家である。

分かりやすいのが、サッカーの国際祭典であるワールドカップに参加する場合、『イギリス』で参加するのではなく、4地域それぞれバラバラ「でエントリーしている。

だからベッカムやルーニー、ジェラードがつけていたチームの国旗は白地に赤い十字が施されていたし(ユニオンジャックではない)、参加チームの名称もイギリスではなく『イングランド』だったでしょう。

世界史はさほど詳しくないので詳細は省きますが、イングランド王国が他の地域を圧倒して1536年にウェールズ、1707年にスコットランド、1801年にアイルランド(1922年にアイルランドの北部6州を除く、26州がアイルランド自由国≪現アイルランド共和国)として独立している)を併合して今のイギリスが形成されている。

今回、4地域のひとつスコットランドが独立するか否かを国民投票で決するという。もし賛成派が過半数を取れば、2016年3月24日から独立国として認められることになる。

国土の1/3、GDP(国内総生産)の10%弱を占める地域が独立するのである。イギリスのキャメロン首相、エリザベス女王も真っ青である。

2012年に今回の国民投票は決定していたが、ここ最近まで圧倒的に『反対派』が多数を占めており、大問題として取り上げられてこなかった。ところが『賛成派』の巻き返し、草の根運動により投票を明日に控え、現状賛成票、反対票は拮抗しているという。

イギリスはヨーロッパ随一の油田(北海油田)を抱えており、国内のほとんどを当該油田でまかなっている。この北海油田の位置がスコットランドに隣接しているものだから、その帰属(もし独立が成立するとイギリス、スコットランドのどちらが支配するのか)はイギリス社会に大問題を引き起こすことになる。

エネルギーの問題だけではなく、通貨もスコットランドが独立すれば『ポンド』を使わせる・使わせないなどの意見があり、国内経済は大きな混乱をきたすことになる。

また経済だけではなく軍事面においてもスコットランド最大都市のグラスゴーに唯一核ミサイルを搭載したイギリス海軍の潜水艦基地がある。この基地の移転にはかなりの軍事費もかかるだろうし、それ以外の問題もきっと発生するだろう(沖縄の基地移転問題が時の政権を揺るがすほど大問題になることからも容易に想像できる)。

また、世界をリードする先進国の一翼担うイギリス内部で(国際連合安全保障理事会【通称、安保理】の常任理事国であり、世界経済、政治を引っ張る【G8】の一員であるイギリス国内で)『スコットランド独立』が住民投票で決定されたとするならば、おそらくヨーロッパ中の『独立運動』に拍車がかかることは目に見えている。

スペインのカタルーニャ自治州(都市バルセロナを有する)、バスク自治州の独立、ベルギーの南北分離(北部フランドル地域と南部ワロン地域の分離)、イタリアでのアルト・アディジェ州の独立分離などなどヨーロッパでは分離独立運動の機運が否が応でも高まることになる。

また昨今問題に上がっているウクライナの東部地域の独立や中国でのウイグル族やチベット族の民族独立問題など世界中に火の粉が拡散する可能性を今回の『スコットランド独立』は秘めている。

日本に住んでいて、同じ言語を話し、同じ歴史を共有している私たちには『国家の分離独立』などほとんど無縁に感じる。今回のスコットランド独立についても私たちが一票を投じれるわけではないから、傍観者として他人事のようにしか見ることができない。

現状マーケットが順調に推移しているが有頂天にならず、ニュースで流れてくる国際情勢(明日のスコットランド国民投票も含め)をボーッ眺めているだけしかできないものの、上記のような問題をはらんでいることは是非、認識しておいて欲しい。

国家の『独立』といったナショナリズムが台頭し、先鋭化してくると『戦争』『紛争』といった血なまぐさいイメージを持つのは私だけではないだろう。

「自分たちの国の利益を守る」「自分たちの国の利益を最優先する」人が決して捨てることが出来ない「欲」が引き起こす悲劇であるが、「いつかまた」歴史は繰り返されると覚えておいて欲しい。

ただし、クライアントの皆さん!「だから今のうちに利益を確定させておこう」などと
姑息なことは考えないでね!

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