- 2014年09月16日 02:06
黒田日銀総裁の消費税増税支持について
2/2「市場での借り入れコスト急上昇回避」は達成できたが、英国民は大きな痛みを受けることになったわけである。
ちなみに筆者は金融緩和の効果が予想を大きく下回っている事がわかった時点で、たとえ少しはプラスの効果があったとしてもその副作用(コスト)を考慮するならそれ以上の緩和は避けるべきだったと思っており、第二段、三段の量的緩和拡大には反対だったが、財政再建+金融緩和の組み合わせ自体は、金融緩和の効用がコストを上回っている限りは有効だと思っている。
最後に日本のケースに戻ると、当時のイギリスに比べれば日本の現況は財政再建に適した環境であるように見える。 失業率はもともと完全雇用に近い水準であり、例え景気が停滞して失業率が横ばいになってもイギリスのように失業自体が大きな社会問題になるような環境ではない。又、ユーロ圏の危機と連動して既に金利にまで影響が出ていたイギリスとは異なり、追い込まれての財政再建というわけではないので、やってみて予想以上に影響が出れば財政出動で仕切りなおす余地もある。追い込まれて低成長・高失業率下で財政再建を行なわざるえなかったイギリスと比べればかなりマシなはずである。
ちなみに日本はそこまで追い込まれていないのだから先送りするという選択肢も取れなくは無いが、追い込まれていないからと言って先送りし続ければ、追い込まれて財政再建せざる得なくなる時がいつかは起こるし、それはほぼ間違いなく不況時になる。 もう少し適した時期まで先送りするだけ、というのは耳あたりはいいが潜在成長率が低い日本で、曲がりなりにも完全雇用がほぼ達成できている現況よりも明らかによい状況が(バブル以外に)そう簡単に到来するのか疑問であるし、そもそも日本の財政の悪さは景気がよいときだけ財政再建に励めばよいというレベルを超えている。 依然、直ちに財政危機に陥る可能性は非常に低いとは言えるだろうが、十分に低いと言えるかどうかは疑問であり、かつ昨年より今年、今年より来年とその可能性はが徐々に上昇しつづければ、いずれは「このままだといつかは起こる」が「そのいつかは今ではない」と言われ続けてきた危機が本当に起こってしまいかねない。先送りすれば直ちに破綻するわけでないことは、今やらなくてもよいことの絶対的な理由にはならないことをよく理解すべきであろう。



