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「合法オンラインスロット」とやらが拡大しているようです

ちまたでは、国内に本拠を置く「合法オンラインスロット(自称)」なるものが拡大しており、これまたヤヤコシイものが出てきたなぁと思いながら、その様相を眺めています。以下、NARVEまとめより転載。

違法?合法?オンラインスロットのあれこれ
http://matome.naver.jp/odai/2139976517884434901

オンラインスロットはオンラインゲーム+SNSの機能を持ったコミュニティサイト。ゲームで獲得したサイト内通貨(GOLD)を景品と交換できる。これは特許を利用したシステムとなっている。 お気に入り詳細を見る パチンコ屋のように現金には換金できないがポイントを溜めると電子マネーやアマゾンギフト券、その他物品に交換可能となっている。現金に交換せずに電子マネーやギフト券、物品と交換することで合法としている。 […]

おおまかなゲームの流れとして
Pt → 予選 → TICKET → 本選 → GOLD → 景品交換

僕は、立場上この種の法律的にギリなものに関しては、手を出さない/出したくないので、あくまで外側からザッと情報を集めただけでの感想だけど、サービスとしては法律上は本当にギリギリのところを綱渡りしている状況。でも、本当にギリッギリッの境界線に居るので、これ本気で摘発しようと思ったら、多分様々な関連法の解釈をどう整理するかで大騒ぎになる。僕からしてみると、これ提供している人達はその辺まで含めて、完全に「判ってる」側にいる人達だよねぇ、って感じです。少なくとも思いつきでやってるわけじゃない。

論議1:
このゲーム仕様の最大のポイントは、彼らが本選と呼んでいるいわゆる賭博系ゲームに入る前に、一回「予選」と呼ばれる簡易ゲームを挟んでいるところ。プレイヤーは、この予選に参加するためのポイント(Pt)を現金で購入し、そこで獲得されたTICKETをもって賭博系ゲームに参加するようです。

実は法律上でなされている賭博の定義は、「偶然の勝敗により財物・財産上の利益の得喪を争うこと」とされています。この中で一つのポイントは「財物・財産上の利益の得喪を争う」という点にあって、ここで彼らがTICKETと呼んでいる「本選への参加権」が「財物・財産上の利益」を構成するモノに該当するかってことを検討しなければ、賭博にあたるかどうかの判定ができない。

ところが、このTICKETというのはゲームシステム上、現金で直接買えるもの(Pt)ではなく、あくまでPtを使って参加したゲームの中で獲得できるポイントであって現金とは直接紐付いていない。一方で、このTICKETを直接景品交換できるわけでもなく、景品として提供される財物の価値にも直接紐付いていない。じゃぁ、これはいったい何なんだというと、純粋に「本選に参加できる権利」でしかないんだよね。

実は、刑法上はこのような「何かしらの権利を記した証書」というのも、一応、財産上の価値を記した広義の有価証券(これは商法上の有価証券の定義とは違う)として扱うのだけれど、ただそれが例えば金券ショップのようなところで売買されているのならばいざ知らず、ゲーム内で使われるだけで一般流通していないデジタル上の存在であるとなると、これまたその市場価値をどのように定義して良いのか非常に微妙なところ。これを「有価証券である」としてしまうのはある意味簡単なのだけど、そうすると実はその他のオンラインゲームなどで使われるゲーム内通貨やデジタルアイテムの法的解釈にまで影響が出て来ちゃうので、軽々に踏み込むことはできない。結構、シンドイ作業です。

論議2:
実は、リアル店舗の世界ではゲームの結果に対して景品を出す営業行為は、風営法上の許可業種とされていて、リアルで上記のようなサービスを行えば風営法違反が適用され得ます。ところが、問題は現在の風営法は、インターネットなど存在しなかった古い時代に作られたもので、法律そのものがオンライン上でその種の営業行為を行うこと自体を想定して作られていません。

それを現行法規の解釈運用でむりくり適用するというのは…うーん、僕的には法改正しない限り無理だと思うんだけど、それをやったらやったで今度は同様に景品等を出さない他のネットゲームにも風営法を適用(8号業種として)しなければいけないことにもなって、これまた大騒動になるんですよね。正直、こっち側のアプローチもまた簡単ではなく、悩ましいなぁ…と。

実は、ここでご紹介している論議は、これまでも僕のtwitter上(@takashikiso)のフォロアーさん達には一種の「禅問答」、もしくは思考実験的な問いかけとして、何度か投げかけたことがある事例なんですよね。その時の僕の設問は、「オンライン上で、リアルパチンコ店と同様のゲーム仕様、景品交換制度でサービスを行った時に、現行法規上ではどのように扱われるのか?」というものでしたけど。今回ご紹介している「合法オンラインスロット(自称)」なるものは、その類型にあたるものと言えるかなと思います。

あともう一つの論点は、おそらく利用者の利便性を考えてのことだろうけど、ゲーム賞品としてEdyなどの電子マネーが設定されている点。ここも、このサービスを考えるもう一つの論点になると思われるのだけど、電子マネー系の法制に関しては、僕も専門外の部分なので今回のエントリの中で論考を行うことは避けたいと思います。この辺に関しては、もうちょっと情報および僕の考えを整理したのち、機会をみてご紹介するかもです。

ということで現段階では、正直、この事案に対して「答え」というものは全くなくて、それぞれの立場から法解釈を積み上げるしかないのだと思うのだけど、なんとなくこの事案が今後の我が国におけるオンラインゲーミング法制論に一石を投ずるというか、波紋を広げそうな気もしているので、一応、前もって皆様に告知しておきます。こういうのが一定のボリュームをもって成長したのちに社会問題として投げかけられちゃうと、数年前のガチャ騒動の時のようになりかねないのでね。皆でちょっとずつ考えてまいりましょう。

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