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【アップルペイ】、ウォルマートとベストバイが対応しません!普及は遅くなる可能性も?

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■ウォルマートとベストバイはアップル社のモバイル決済システム「アップルペイ(Apple Pay)」に対応しないことをウォール・ストリート・ジャーナル紙など一部メディアが報じた。

 非接触ICカード技術のNFC(Near Field Communications)を採用したアップルペイは、支払い時にアイフォンをかざして指紋認証で決済する「おサイフケータイ」システム。ユーザーは新たな手続きをしなくても、既存のアイチューンズ(iTunes)アカウントに登録しているクレジットカードでの支払いが可能となる。また、クレジットカードなどをカメラで読み込むことでもカード登録ができる。アップルによると、アップルペイはビザやマスターカード、アメリカン・エキスプレスのカード会社大手3社に、クレジットカードやデビッドカードを発行しているバンク・オブ・アメリカやウェルス・ファーゴなど主要銀行5社とも提携していることで、クレジットカードを使った決済の83%をアップルペイでカバーできるとしている。またアップルペイに対応する小売事業者にはアップルストアに加え、マクドナルドやサブウェイなどのレストランのほか、ウォルグリーンやホールフーズマーケット、メーシーズやブルーミングデールズ、ディズニーストアなど22万店で対応する。

 一方、ウォルマートやベストバイなどが参加するコンソーシアム「マーチャント・カスタマー・エクスチェンジ(Merchant Customer Exchange:MCX)」は今月初め、モバイル決済方式アプリ「カレンシー(CurrentC)」を発表した。カレンシーはNFCを使わず、カレンシーが生成したQRコードで決済を行う。

14年9月16日 - 【モバイル決済】、ウォルマートなどMCX加入11万店で使える決済アプリのカレンシー!

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。今月に入って、MCXがカレンシー、アップルがアップルペイとそれぞれモバイル決済システムを発表しました。カレンシーは来月からテストを始め来年にサービス開始となります。アップルペイは来月から始動です。どちらもサービス開始前ですが、カレンシーの普及が進む一方で、アップルペイの普及はそれより時間がかかると予測しています。アップルペイの普及に時間がかかる理由は大きく2つあります。第1にアイフォン以外のスマートフォンでの使用はできないことです。アップルペイを使えるのはアイフォンでも新機種となるアイフォン6と6プラスのみで、アイフォン5や5c、5sはアイフォン・ウォッチが必要になります。アップルペイの利用者が限定されるので、普及が進まないのです。第2に受け手となるお店など事業者側の導入コストが大きいことです。

⇒アップルペイはNFCですから、専用の読み取り端末が必要となります。これが1台300ドル~500ドルです。この端末の普及は約10%と言われています。潤沢な資金をもつ大手なら問題ないでしょうが、中小零細の事業者にとっては大きな出費ですので、即座に導入するところはまずありません。ベストバイは2011年、一部店舗にNFC用端末を導入しましたが、利用者も少なくランニングコストも高くついて結局、撤去しています。アップルペイの普及で問題になるのが決済手数料です。一般的に小売店などは、クレジットカードやデビットカード決済金額の約2%を手数料(スワイプフィー:swipe fee)として金融機関に支払っています。スワイプフィーは金融機関にとって大きな収入で、なくすことはできません。ただ、アップルはアップルペイの手数料についてFAQで「ユーザーや販売者、開発者に対して課金はしない」と明言しています。

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イノベーター理論とキャズム理論。イノベーションな製品は、2.5%のイノベーター(Innovators)に始まり、特徴の違う5つのタイプの消費者層に購入されながら普及していくと表したのがイノベーター理論(エベレット・ロジャース氏の『イノベーションの普及』より)だ。新しモノ好きの「アーリーアダプター(Early Adopters)」と自分のメリットを考えて購入する「アーリーマジョリティ(Early Majority)」という消費者層にも価値感の違いから、この間にキャズム(溝)がある。キャズムを超えられず普及しなかった製品にはベータマックスやレーザーディスク、PDAがある。日本でしか普及しなかったMDプレーヤーも世界的に見れば溝を超えられなかった製品だ

⇒では、だれが手数料を支払うのか?ですが、現段階ではわかりません。負担するのが金融機関となれば、まわりまわって最終的にはお店やレストランなどの事業者側への負担にならざるえないような気がします。事業者側にとって、アップルペイのデメリットは少なくないのです。したがってウォルマートやベストバイは「アップルペイは対応しません」との態度を早々ととったのですね。ところで、イノベーター理論で考えると、アップルペイは新しモン好きのイノベーターやアーリーアダプター層への普及は早いです。が、店側がアップルペイ対応を渋るので、アーリーマジョリティ層への普及は遅くなるのではと予想しています。一方のカレンシーは、導入コストも手数料も発生しませんから、事業者側はカレンシー仲間を募って普及に努めるでしょう。ディスカウント販促をつかいカレンシーを消費者にプッシュもしていくことにもなります。

 実用性も安全性もわからない上での予測ですが、アップルペイのマジョリティ化には時間がかかりそうです。

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