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先進国で最もマスコミを鵜呑みにする日本人

朝日新聞の「吉田調書」(および慰安婦報道)記事訂正・謝罪会見は大きな話題を呼んだ。これほど新聞の誤報が社会問題としてクローズアップされるのは、扱った問題が原発や慰安婦といった国内のみならず国際的に注目される重たいテーマであることと、訂正・謝罪が遅きに失したこと以外にも、日本国民の新聞に対する高い信頼度が背景にあるように思う。

世界価値観調査(2010)によると、日本人の新聞に対する信頼度は「非常に信頼する」と「やや信頼する」を合わせると70.6%にのぼる。この数値は世界トップレベルで、米国20%台、英国10%台をはじめ先進国が10%から40%台なのに対して圧倒的に高い。中国や韓国など他のアジア諸国でも60%台で日本ほどではない。

これは日本の新聞の質が高いからだという見方もできるが、むしろ実態は、日本国民が新聞はじめマスコミに対して過度に信頼を置き過ぎており、その報道を鵜呑みにし過ぎている表れなのではないだろうか。

先日、“「受験の朝日新聞」とメディア・リテラシー教育”という記事を書いたが、日本は教育現場でも新聞(特に朝日)の社説やコラムを無謬なものとして写経させるような教育が主流で、複数紙を比較検証したり、批判的思考をもって読み解くようなメディア・リテラシー教育はあまり実践されていない。他の先進国では、政府や企業、NGO、他の様々な機関に対してと同様に、マスコミに対してもその情報を鵜呑みにせずに、自分の頭で考えて咀嚼する傾向がある。日本はこれまで、あまりにもマスコミを信頼し過ぎ、振り回され過ぎていたのではないだろうか。

昨今はネットメディアや個人のブログ発信の台頭により、マスコミ報道も相対化されつつある。今回も朝日の「吉田調書」スクープに対して最初に疑義を投げかけたのはノンフィクション作家の門田隆将氏であり、ブロゴスに転載されたブログ記事が拡散したことが、謝罪会見を引き出した発端とも言える。もちろん、ネット上の情報もマスコミと同様に全てを鵜呑みにしてはいけないことは当然だが、複数のリソースから多角的に情報を分析し、自分自身の頭で考えて情報を咀嚼する習慣をつけていく必要があるように思う。

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