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コミュニティサイトのあるべき姿 庄司昌彦氏インタビュー4

−コミュニティサイトのあるべき姿とはどういったものでしょうか?

 掲示板が出てきてブログが出てきてmixi、Twitterが出てきて…というように、その時々で人が集まる場所は激しく変わっていくでしょうが、人間は社会的存在なので、道具があればコミュニケーションをするし群れを作っていきます。だから、それぞれのコミュニティサイトを個別の問題として捉えるのと同時に、コミュニティサイトというものはずっとあるものだという前提で問題を小さくすることを考えていく方がいいと思います。単に規制するだけであれば、次に場が移るだけで、実際になくならないですよね。ですからコミュニティサイトをより大きな視点でとらえて、どうすれば問題をなるべく小さくしながら、より安定的に続いていけるのか、ということを考えていかなければならない。そうすると短期的に禁止したりルールで縛ったりするだけはしょうがないし、ユーザーと一緒に問題に向き合わないといけないし、実際の学校や社会との関係も考えていかなければいけません。
 コミュニティの運営者も参加者もできれば一緒に問題に向き合って、自分たちでルールを作っていくことも大事です。当事者たちと関係のないところでルール作って押し付けても多分、現実に合わないし、腑に落ちないというか内面化しないでしょう。

−自分たちっていうのはサイト運営者、ユーザーさんも両方含まれるんですよね?両方で考えるのは難しいですね。
 
 例えば、はてなはユーザーとコミュニケーションとりながらルール作りをしていましたよね。コミュニティが大きくなると、あの感覚を保つのが難しいとは思いますが、実際に挑戦した例はあるといえます。

−カスタマーサポート体制では女性、特におばさん的な人が必要だとお話したことがあります。運営者側というかシステム系の人たちはユーザーと話すのは不得意なんですね。人間関係がプロフェッショナルな人でかつそういうスキルを持っていることが大事ですよね。

 そうですね。おばさんは確かに僕が見てきた地域コミュ二ティでも大変強力です。実は地域SNSって一般的なSNSよりも年齢層が高いんです。平均の年齢層が40歳で、アクティブユーザーに注目すると、40歳よりも上の人たちが多いです。
 おばさんとは何か、おばさん的コミュニケーションとは何かということを考えてみましょうか。まず基本的には抱擁力があって、時々おせっかいなんですね。またいざという時には建前を横において、臨機応変に迅速に動くんですね。結構、おばさん的コミュニケ―ションを考えると良い答えが見つかるかもしれません。
 地域SNSでは、サイトを作る人は男性、おじさんが多いんです。そして運営体制を組織化し、役割やルールを作ることに力を割いてしまって、実際にイベントをやろうとすると柔軟な対応ができなかったりする。そうなると、おばさんたちが中心になるんですよね。コミュニケーションを円滑にして場をうまくまわしていく力がおばさん的コミュニケーションにはあるんでしょう。ここはもっと噛み砕いて研究してみる価値がありそうですね。

―女性のほうがネットワークとかコミュニケーションが得意なイメージがあるんですね。基盤は男性が作ってその上で女性がという事なんですかね?

 女性ならみんなそうか、という訳ではないでしょうが、ある種のコミュニケーション力や実行力があるということなんでしょう。ルールをあまり抽象的形式的に捉えていくと軋轢はあるわけですが、現実に向き合いながら個別具体的に柔軟な対応をして、傷つけないというコミュニケーションがとれる、というイメージですね。まあ、私自身もおばさん的かもしれません(笑)。

−多分、そういう能力の持ち主が適任だと思うんですけれどね。もともとネットって男性の世界のような気がしていて、だんだん女性が入ってきて、その両者のバランスが取れれば良いのかなと思うんですね。

 はい。ただ、日本と欧州のコミュニティサイトを比較した研究によると、日本のものは目的志向が薄いというか、全人格的に付き合える関係を作ろうというムラ志向が強いそうです。一方で合理的に割り切って目的に特化していくことは少ない。社内SNSを入れても、機能的に使うのではなく、コミュニティを作ってべたべたでつきあうという感じになる。そこでうまく仕切れるのがおばさん的才能だとは思いますが、一方で機能的な付き合いをする、そういうコミュニティを作っていく、という面も日本社会にはいるんだろうなと思います。

−他にメッセージとかはありますか?

 繰り返しになりますけれど、コミュニティのあり方について考えるのは、メンバーそれぞれが社会の中でどう人間関係を作っていくのか考えることでもある。だとすると年寄りや子どもを排除したり規制したりするだけでは問題の本質にはたどりつけない。ネットコミュニティに伴って出てくる問題は白紙にしていくことが出来ない類のものが多いわけですから、そういうものだとしてうまくつきあっていくという姿勢が重要ですね。

−生まれてきたものを否定しても仕方がないですよね。

 はい、生み出したのは私たちですから。実際の地域社会では、自発的にコミュニティが出来ても、リーダーがずっと王さまとして君臨し続けていると、活動はいずれ停滞します。地域でお祭りをやってもリーダーは毎年、変えていきますよね。つまり社会を運営し続けていくためには人を育てなければいけないし、リーダーを変えていかなければならないといった知恵があるわけです。こういう知恵が、実際の社会にはいっぱいあると思うんですね。そういうものを学びながらネットコミュニティの運営や、ネットとリアル双方の運営に生かしていくことができるだろう、と思いますね。

この号終了

鎌田真樹子

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