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ライブの予約も、会場でのドリンク購入もできる「WillCall」

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イベント会場が抱える問題を解決したかった

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WillCallは、デザイナーでありCEOでもあるDonnie Dinch(写真左。以下、ディンチ)氏、iOSディベロッパーのPatrick Tescher(写真中央。以下、パトリック)氏、そして、Julian Tescher(写真右。以下、ジュリアン)氏が2010年にロンチした。パトリック氏とジュリアン氏は兄弟だ。

ディンチ氏がシアトルに住んでいたころのこと。当時好きだったスウェーデン出身のインディーズバンドShout Out Loudsがシアトルでライブをやっていることを耳にした。

しかし、チケットを買うには、時すでに遅し。同氏は、どうしてそんな大切な情報を知らなかったのかと、とても悔しい思いをしたという。

数日後、好きなアーティストが自分の街に来るという情報がなぜ広まっていなかったのかパトリック氏やジュリアン氏と話し合ったディンチ氏は、イベント情報を広げられないのは音楽業界全体の問題ではないかと考える。

この問題を解決するため、今後2週間以内に開催されるショーやライブイベントやアーティストを自分たちでキュレートし、イベント直前のチケットを販売するアプリの開発を思いついた。

しかしライブイベントといっても規模はさまざまだ。1万人以上の集客を見込めるミュージシャンは数える程だが、500人〜1000人程度の集客を見込めるアーティストやライブハウスは沢山あると考え、この層をビジネスのターゲットとしてWillCallの開発に着手した。

2014年1月にはイベント会場でドリンクの支払いを簡略化することで、ドリンク待ちの長い列を解消し、イベント会場の収益を上げるBarTab機能を追加。ただライブに関する情報やチケット購入を扱うのみでなく、ライブイベントそのものに寄与する包括的なアプリへと進化させていった。

"会場の収益を増やすためにバーでの会計や人の流れの改善に取りかからなければならないことは、明らかだった"
- オッコーナー氏

"WillCallはライブチケットの販売サービスに留まらない。ライブハウスなどの会場やアーティストをソーシャル面でサポートするための会社なんだよ"
- ディンチ氏

イベント会場でも顧客個人に向けたサービスを

音楽業界におけるECサービスの多くは、音楽の有料配信やチケット販売がメインだ。そんな中、WillCallは視点を変え、イベント会場やアーティストの収益につながるサービスを提供している。billboardbizは、現在こうしたサービスを包括的に提供しているのは同サービスだけだと話す。

また、BarTab機能の使用が広まれば、イベント中に注文するドリンクのデータも蓄積できるようになる。そうしたデータをMixpanelやGoogle Analysisを使用して分析すれば、顧客に対してさまざまなマーケティング戦略が打てるようになるのだ。

ディンチ氏は、WilCallを使ってデータを蓄積し、イベント会場に有益な情報を提供するビジネスも考えていたという。

"ライブハウスなどのイベント会場は、集まった顧客のことをほとんど知らないんだ。十分なデータを集めて来なかったため、分析するデータすらない"
- ディンチ氏

そこでWillCallで集めたデータを活用することができるようになれば、顧客の全体像を把握できるだけでなく、1人1人の顧客にカスタマイズしたサービスまで提供できるようになり、売上にもつながるだろう。

例えば、あるWillCallユーザーが月に4、5回ライブに来るような顧客であれば、その人のために無料ドリンクのサービスなどを提供することもできるようになる。顧客にとっても嬉しいサプライズだ。

さらに、チケットの販売、ドリンクの販売、アーティストグッズの販売などの情報を包括的に分析すれば、イベント会場としては特定の顧客に焦点を当ててマーケティング戦略をさらに強化して行くことも考えられる。

実はこのアプリ、今年の8月に米国第2位のチケット販売サイトTicketflyに買収されている。Ticketflyは買収後も、WillCallのアプリはそのまま継続させて行く予定とのことだ。

買収に伴い、ディンチ氏は同社カスタマー・エクスペリエンスマネージャーに就任することとなった。これまでWillCallが検討していたマーケティング戦略をどのように進めて行くのか楽しみだ。

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