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- 2014年09月11日 23:43
中国から見た日中関係が悪化している原因
『環球時報』が掲載していた「日本对华好感度低不等于敌视」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。
まず大きく以下の3つの原因による結果としています。
①領土問題では、民族の対立となり、日本国内での差異を覆い隠してしまう。
②日中の経済格差が広がっており、中国の高度経済成長が日本にプレッシャーを与えている。
③侵略の歴史という認識が不足しているので、保守勢力の影響を容易に受けてしまう。
また、日本人は物事を悲観的に考える方向があり、また、日本人は政府やマスコミの影響を受けやすく、こうした機関の誘導が大きな原因としています。
ただ、この筆者はこうした好感度の低下は必ずしも敵視を意味しておらず、40年に及ぶ民間友好運動があるし、貿易の相互依存もあり、一般の日本人は相対的に穏やかな中国観を持っており、中国脅威論を受け入れていないとしています。
また、不景気に苦しむ日本が高度経済成長を謳歌している中国をねたんでいろいろ複雑な感情を持ちそれが日中関係に影響を与えているという主張は、はっきり言って聞き飽きたというのが本音です。
ただ、中国にしてみれば、自分たちの自尊心を満足させることができ、更には関係悪化の原因を日本側に押し付けることができるとても優れて主張ということなのでしょう。
関係悪化に対するマスコミや政府の影響もはっきり言ってこうしたものの影響を強く受けている中国人にとっては、すごく説得力がある話ですが、日本人がこうしたものをどこまで信頼しているかはかなり疑問です。
その際、マスコミや政府の影響については、中国は日本以上です。学校教育は言うに及ばず、何か問題があると常に日本に責任を転嫁する中国政府、それを日常的に報道するマスコミ、こうした公式のものだけでなく、日常的に放送されている反日ドラマ等々。
こうしたものの影響を普段受けている中国人がどのような思考パターンをとるかは容易に想像される話です。
食の安全や豊かな自然という本来もっとも重視されなくてはならないところが全く守られておらず、売っているものも何を信頼したらよいかわからないのが中国の現実です。
それに経済は確かに発展したものの、貧富の差は大きく、確かに夢や希望を抱いてパワフルな中国人が多いことは事実ですが、その一方、病気やけがをしたときに社会保障分野での整備がなされておらず、ひどい待遇を受けている方が多いことも事実です。
そして、先に述べた貧富の格差や、共産党と関係(コネ)のある者にはどう頑張っても勝てない現実があり、こうした中国の負の面に悲観している方がいることも事実です。
これが今の中国の限界かもしれませんが、願わくばもう少し「謙虚」という言葉を学んでいただければ、日本の中国に対する好感度も上がるのではないかと思った次第です。
1 記事の紹介
日中共同世論調査で、中国に対して良くない印象を持っている日本人の割合が93%に上ることが分かりましたが、その原因等について述べているものです。まず大きく以下の3つの原因による結果としています。
①領土問題では、民族の対立となり、日本国内での差異を覆い隠してしまう。
②日中の経済格差が広がっており、中国の高度経済成長が日本にプレッシャーを与えている。
③侵略の歴史という認識が不足しているので、保守勢力の影響を容易に受けてしまう。
また、日本人は物事を悲観的に考える方向があり、また、日本人は政府やマスコミの影響を受けやすく、こうした機関の誘導が大きな原因としています。
ただ、この筆者はこうした好感度の低下は必ずしも敵視を意味しておらず、40年に及ぶ民間友好運動があるし、貿易の相互依存もあり、一般の日本人は相対的に穏やかな中国観を持っており、中国脅威論を受け入れていないとしています。
2 中国の主張
ま、『環球時報』に掲載されたものなので、間違っても中国側にも原因があるなどということは書けないのでしょうが、日本人である私に言わせるとこうした自分たちの非を認めず、一方的に日本を責任を押し付ける態度が好感度を下げている最大の原因かと思います。また、不景気に苦しむ日本が高度経済成長を謳歌している中国をねたんでいろいろ複雑な感情を持ちそれが日中関係に影響を与えているという主張は、はっきり言って聞き飽きたというのが本音です。
ただ、中国にしてみれば、自分たちの自尊心を満足させることができ、更には関係悪化の原因を日本側に押し付けることができるとても優れて主張ということなのでしょう。
関係悪化に対するマスコミや政府の影響もはっきり言ってこうしたものの影響を強く受けている中国人にとっては、すごく説得力がある話ですが、日本人がこうしたものをどこまで信頼しているかはかなり疑問です。
3 お互い様
実際、今回の調査では、日本に対して良くない印象を持っている中国人も86.8%に上っており、日本に対してこうした原因を分析を行うのであれば、同じようなことを中国に対しても行うべきかと思います。その際、マスコミや政府の影響については、中国は日本以上です。学校教育は言うに及ばず、何か問題があると常に日本に責任を転嫁する中国政府、それを日常的に報道するマスコミ、こうした公式のものだけでなく、日常的に放送されている反日ドラマ等々。
こうしたものの影響を普段受けている中国人がどのような思考パターンをとるかは容易に想像される話です。
4 お互い様2
それに中国の高度経済成長にあこがれる日本人という話ですが、私に言わせれば高度経済成長はできていても国内に様々な問題を抱える中国の方が外国に対するあこがれは強く、それが複雑な影響を与えていると考えます。食の安全や豊かな自然という本来もっとも重視されなくてはならないところが全く守られておらず、売っているものも何を信頼したらよいかわからないのが中国の現実です。
それに経済は確かに発展したものの、貧富の差は大きく、確かに夢や希望を抱いてパワフルな中国人が多いことは事実ですが、その一方、病気やけがをしたときに社会保障分野での整備がなされておらず、ひどい待遇を受けている方が多いことも事実です。
そして、先に述べた貧富の格差や、共産党と関係(コネ)のある者にはどう頑張っても勝てない現実があり、こうした中国の負の面に悲観している方がいることも事実です。
5 最後に
ある意味、いつもの中国の主張でツッコミどころは満載ですが、それでも日本に対して完全な敵意をむき出しにした記事ではないというのが印象的でした。これが今の中国の限界かもしれませんが、願わくばもう少し「謙虚」という言葉を学んでいただければ、日本の中国に対する好感度も上がるのではないかと思った次第です。