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柏市立田中小学校 西田光昭先生インタビュー3

校務のICT化について、千葉県柏市立田中小学校西田光昭教頭先生にお話しを伺っている。小学校に導入するPCとネットワーク環境は、どのような形が望ましいのだろうか。


■子供たちのパソコン学習

―我々MIAU(インターネットユーザー協会)で調査を行ったところ、中学生では手書きよりもケータイの方が早いという子供が、今年でもう5割を超えてきたんですね。文字入力のメインストリームが、テンキーになる可能性もあるわけですが、本当にそれで大丈夫なのかと思うんです。小学校での文字入力は、キーボードが主体ですか?

西田:キーボードがベースですね。昔は、かな入力やっていたんですけど、結局あとでローマ字入力を覚え直すことになってしまうので、最近は最初からローマ字入力です。文部科学省の学習指導要領も、かつては4年生でローマ字だったのが、今は3年生でローマ字を覚えると変わってきたんですね。どの程度までできるようになればいいかというのは、いろいろ意見が分かれるんですけれども、手引きとか基準で出てくるのは、6年生を卒業できる段階で原稿用紙1、2枚は少なくとも書けるようになってほしいと。したがってまず3年生では、短文が入力できればOKでしょう。最初の基本になるのが、ファイル名をつける時に、名前、単語が入力できるかどうか。それは2年生で出来るようになってほしい。

―ローマ字入力より先に、キーボードの仮名入力を先に教えるから混乱するのだという人もいますね。

西田:当初はそれがありました。逆に1年生は、キーボードのかな入力よりも、ソフトウェアキーボードの50音表の方が、学習の中で望ましいんですね。50音表をちゃんとやっておくと、その後のローマ字入力に行きやすい。

学校のキーボードも、もうJISにこだわる必要はないのかなと。ただいろんなタイプが混在するのは、困ると思いますね。一時期、小学生は手が小さいのだからということで、小さいサイズのキーボードを渡した実験をしたことがあります。ところがそこでブラインドタッチを覚えると、あとあとフルキーボードになった時に困るんですね。

―今、学校の中は、無線LANは通ってます?

西田:柏の場合は、無線は入れていないです。その代わり有線を各教室に2本ひいてます。授業で展開するときにはS(Student)のネットワークにつなぐと、ログイン先がコンピュータ室のサーバーになりますので、それで使う。先生方が使う校務はT(Teacher)というネットワーク、そうすると職員室のサーバーにつながります。回線は物理的に変えたほうが良いですね。間違ってデータを置いてしまう心配がなくなるので。

―小学校にはクラスの人数分PCがあるんですか?

西田:コンピュータ室に38台入ってます。市立小学校なので、柏市の予算で全部入れてあります。今から10年ちょっと前は、文科省の基準が20台で、2人1台だったんですね。その時にはコスト的に変わらなくても、40台は入れてくれなかったんです。コンピュータは20台でディスプレイとキーボードが40台という、変な入れ方をしたこともあります。

―PCの稼働率は?

西田:時期にもよりますけど、1クラス週1時間割り当てられていますので、高学年だと週1回、低学年だと1月に1回。特別支援学級が1クラスあって、そこも週1回割り当てられます。

■先生のスキルとPCスペック

―先生方のPC利用率は?

西田:先生の利用率はバラバラですね、毎日使う人、一学期間使ってない人もいます。使う人は国語、算数、理科、社会と、ほとんどの教科で使っています。パソコンよりも、実物投影機を使う人の方が多いです。それぐらいであれば抵抗がない。ところがパソコンだとまずログインしなければならないなど、使うまでに手間がかかってしまいます。使う人は、つなぎっぱなしで使えるような環境を作らなければ、なかなか浸透は難しいのかなと。

―先生方は自分のPCを持って来られるんですか?

西田:柏の場合は、個人持ちのPCは持ち込み禁止です。基本的に先生が使うのは、市から渡されたものですね。各自のIP割り当てなどが決まってますので、持ってきて繋げばなんでも使えるかというと、そうでもないんです。

―学校ではそこまでしないと駄目なんですかね?

西田:だと思いますね。情報の持ち出し、改ざんを考えた時には、そこまでの制限が必要ですね。各先生がセキュリティに対してのスキルがあればいいんでしょうけど、保存したかどうかわからないと言ったり、訳の分からないことをしてしまう人もいる。そうであれば、そこまでやったほうが良いのかなと。

―PCの更新頻度は?

西田:5年に1度ですね。柏はリースの期限が全部5年ですから。長い気もしますけど、5年は良いほうです。理想的には3年でしょうけど、それだとコスト的には厳しいですね。

―ネットブックのような廉価なものに切り変えて、もっと短いスパンで交換するという具合にはならないんでしょうか?

西田:先生方が何に使うかが問題です。Word、Excelの処理だけであれば良いんですけれど、動画の処理をする先生もいるかもしれない。どの先生にも使えるようにというと、やはりある程度の機能は必要になるという現実があります。導入するには、同じ規格のものを入れてしまうのが基本ですから、余分なコストは確かにかかっていると思います。その人が欲しい機能だけに限定すれば、本当はもっとコストが下がるはずなんですが。

この号終了

(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事 小寺信良)

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