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コミュニティサイトのあるべき姿 千葉大学教授藤川大祐氏インタビュー1

藤川大祐先生は、メディアリテラシー教育に取り組まれる中、主催、参画されている研究会などで、コミュニティサイト上に関わる課題について多くのコミュニティ運営者と共に考え、協議してこられました。ご自身もブログやTwitterで情報発信をされています。

教育や学校制度のみならず、コミュニティサイト運営にも精通され、コミュニティサイトのあるべき姿のテーマを考えた時に、初めにインタビューさせていただこうと思い浮かべた方でした。教育者、保護者、サイト運営者それぞれについて踏み込んだお話をしていただき、大変有意義でした。どうぞ皆様もお読みになってみてください。


profile-------------------------------------------------------------------------
千葉大学教育学部教授(教育方法学・授業実践開発)/学長特別補佐(2010年5月〜2011年3月)。
メディアリテラシー、ディベート、環境、数学、アーティストとの連携授業、企業との連携授業等、さまざまな分野の新しい授業づくりに取り組む。

警察庁「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」委員(2006年)、千葉県青少年健全育成計画策定委員会委員長(2006年〜2008年)、千葉県青少年を取り巻く有害環境対策推進協議会委員(2007年〜)、文部科学省「ネット安全安心全国推進会議」委員(2007年〜)、NHK教育テレビ「伝える極意」番組企画委員、NPO法人企業教育研究会理事長、NPO法人全国教室ディベート連盟常任理事、日本メデ
ィアリテラシー教育推進機構(JMEC)理事長、安心ネット作り促進協議会 コミュニティサイト検証作業部会 主査等をつとめる。

2005年、千葉大学ベストティーチャー賞を受賞。
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■(1)コミュニティサイトの現状

―ここ1、2年、青少年に対する条例等の中でインターネットが規制されるものが出てきています。この規制について、また、コミュニティサイトの現状についてどのように捉えていらっしゃいますか?

リンク先を見る 大半の青少年は、コミュニティサイトをきちんと使っているんですね。話題になるのは、利用者数が多いからなんです。利用者が100人であれば1人2人、おかしな使い方をしても話題になりませんが、100万人1,000万人という桁の会員がいるサイトの場合、数としては、多い印象になるということなんですね。青少年の犯罪、非行の話を見ても、今、ネット上で起こっているトラブルは少ないと考えています。文部科学省(以下、文科省と略)の調査結果 を見ても問題のある投稿は、非常に少ないです。

―ここ2年くらいのサイト運営者側の対策も効果をあげているのでしょうか?

 もともと、そこまでトラブルは多くはなかったのかもしれません。主要なサイトでは露骨に連絡先を載せるとか、不適切な出会いを誘引する投稿についての対応はされていて、見える範囲には変な書き込みはなくなってきています。

ただ、だからといって完全にきれいで安心、安全であるということではなくて、東京で言うと、渋谷、新宿のような繁華街の雰囲気なのではないでしょうか。普通、小学生にいきなり渋谷の街なんか歩かせないですよね。コミュニティサイトで何かを発言すれば、いろいろな他者がからんでくる、誘いは必ずあるだろうと考えなきゃいけない。不特定多数の人の中には、おかしな人も必ずいますし、これは当たり前のことです。それをあたかも、小学校の中と同じような安全性を求めてしまうのは誤解があるかなと考えています。人によって、コミュニティサイトとはどういう場なのかについての認識が、かなり違うためこういったことになるんですね。
 
私は、繁華街レベルで良いと思うんですよ。つまり、繁華街でいきなり変なことをする人は、ほぼいないですけれど、声をかけてくる人はそれなりにいるだろうと。そのくらいのレベルだと思うんですね。コミュニティサイトを利用しない方々は、どうも、子どもが使うからには、100%安全ではないといけないという発想の方が多いので、そのギャップが埋まらない。コミュニティサイトを見る見方についてのギャップが埋まらないということが今の状況なのかなと思います。

―見方は人によって経験値が違うので、すごく差がありますよね。それで実態を把握しようなどといった検討はなされていないように感じています。

検討の場はあっても、互いに対話がないですよね。東京都条例に関わる議論をみていると、こういうレベルの議論が全然なく「EMA認定サイトでも、事件があったじゃないか」という一方的な話になっています。じゃあ、コミュニティサイトはどのようなものであるべきで、大人はどういうスタンスでいれば良いのかという根本的な議論は、議事録を読む限りされてないんですね。それで事件が1つでも2つでも起これば大ごとになってしまう。一部の新聞などは、大きく取り上げられていますよね。教育関係者は教育関係者、サイト運営者はサイト側と、距離があるように思います。

―藤川先生は、その距離を埋めるためにはどうすれば良いと思われますか?

 対話が一番大事ですね。安心ネットづくり促進協議会も含め、対話の場が出来てきたことは非常に大きいと考えています。ですから、例えば、サイト監視の体制の話、サイトを利用する子どもの話を聞けば、教育関係者であってもすべてを規制しなければならないとは思わないでしょう。最近では、そういったシンポジウムも開催されるようになってきて、常識的な線は追求できていると思います。しかし、一部では議論もされずに「事件が起きているから危ない」と主張される方もいて、そういう方が、議員だと条例改正が進んでしまうかもしれません。

次号に続く

(鎌田真樹子 株式会社魔法のiらんど 安心安全インターネット向上推進室 室長)


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