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これからの学校におけるICT教育について 〜熟議カケアイでの取り組みを通じて〜 1

■(1)新しい取り組み「熟議カケアイ」について

皆様、文部科学省のホームページを開くと、政策創造エンジン「熟議カケアイ」というコミュニティサイトのバナーがあることをご存じですか?「熟議カケアイ」は、インターネットを活用し、リアルとネットで、ハイブリッドに熟議をしながら、教育現場の声を政策に取り入れていくという画期的な試みをしている文科省主催のコミュニティサイトなのです。

このプロジェクトには安心協のメンバーでもあるコミュニティサイト運営会社も、数社、運営面で参加しています。この取り組みは、インターネットのよりよい活用の例として大変素晴らしい取り組みであると感じています。ここで話し合われているテーマには「ICT教育」ももちろんありますし、「未来の学校」はずっと続けられているテーマです。学校の先生方が自らコミュニティサイトでネットの議論に参加し、インターネットのよりよい面を享受していただく機会は貴重です。

また多くの大人たちにとって、インターネット、とくにコミュニティサイトについてのリテラシーを学び深めていただける機会ともなることでしょう。この熟議カケアイのアイディアを温め、提唱し、自ら進めてこられた文科省 鈴木寛副大臣にお話を伺いました。大変深い内容です。ぜひ皆様お読みになってください。

profile--------------------------------------------------------------
鈴木寛氏

文部科学副大臣
参議院議員 民主党 東京選挙区選出
1986年 東京大学法学部卒。通商産業省入省。
1999年 通産省から慶應義塾大学環境情報学部助教授に転身。
2001年 参院選に民主党公認で東京選挙区から立候補し初当選。
2009年 文部科学副大臣に就任
著書に『先生復活―にっぽんの「先生」を再生する』、『コミュニティ・スクール構想』,『研究開発力強化法』(共著)、『コンクリートから子どもたちへ』(共著)、『「熟議」で日本の教育を変える 』(9月刊行予定)などがある。
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−文部科学省では新しい取り組みとしてインターネットを活用し、現場からの意見を政策にという趣旨でコミュニティサイトを運営されています。その「熟議カケアイ」についてお教えいただけますか?


リンク先を見る鈴木:「文部科学省政策創造エンジン熟議カケアイ」 (以下、熟議と略)は平成22年の2月に懇談会が立ち上がり、4月17日から運営しています。

サイト上での熟議と並行して、毎週、リアルでも熟議を開催しており、100名ほど集まり熱い語りを行っています。その熱気がネットに溢れだし、またリアルな場での議論が深まっていく。リアルとネットの良い共振、共鳴関係が築けており、理想的な関係がつくられていると考えています。主催者としてはこの上ない喜びを感じます。ネットというのは、垣根をとっぱらい距離を縮める役割を果たします。文部科学省(以下、文科省と略)は現場の教師からみると非常に遠い存在であったのが、ネット、熟議の場を借りて心の距離を縮めたと言えるのではないでしょうか。

−熟議は、まれにみる、荒れない安全なコミュニティサイトだとお聞きしましたが?

鈴木:それは、運営している熟議懇談会のメンバーが、魔法のiらんど、グリー、ヤフー、マイクロソフトと安全なサイトを作るための日本におけるチームジャパンと言えるような最強チームですから。みなさん社業を捨ててご協力頂いています(笑)。皆さん、安心ネット作り促進協議会のメンバーでもありますね。ネットで良いコミュニティを作る実践例としてはこの3カ月、おそらく歴史的に見ても驚くような安定したオペレーションではないでしょうか。100の演説よりも、事例、実践を作っていく方が重要ですからね。

−「熟議カケアイ」の特徴として、コミュニティ運用において、システムオペレーターというか、ファシリテーターを配置していていらっしゃることがあげられると思いますが、そういった試みが安定につながっているのでしょうか。

鈴木:そうですね。やはり仕組みをしっかりと作っておけば、ネットの良いところを活用して心配を最少化できるわけです。今まで、学校内の管理職、市町村単位、都道府県単位の教育委員会と2枚、3枚の壁があった現場の先生の声が、それを超えて、ダイレクトに文部科学省に届くことになったわけです。僕らも教員の皆様が本当のところ、どう考えているかを知ることができる。この前、実際にネット上の熟議をきっかけに、提言をみんなでまとめて文科省まで持ってこられた現場の先生もいたんですね。マスメディアでは、現場の先生を悪いイメージでしか取り上げないけれども、ほとんどの先生は真面目にやっているわけで、その息遣いがネットを通して聞こえてきますね。

−ネットの世界でも同じですが、良い点というのは、なかなかフォーカスされないという実情がありますね。

鈴木:マスメディアは珍しいことは取り上げますけどね…。ネットの可能性というかな、熟議のコミュニティが作られつつある中、大事なことを伝えて頂きたいですね。7月18日にファシリテーターの研究会を開催したんです。内部の研究会と思って始めたら、もっと大きなもので130人集まりました。茨城の古河、三鷹、青森教育庁、秋田の教育庁、全国津々浦々から集まってこられたんです。静かな革命ですね。この人たちがリアルとネットのコミュニティで議論を深め、必要なことは文科省に直接、かけあうといったことが可能となっているんですね。国会の停滞ぶりを尻目に、こういった熟議のような取り組みは、確実に社会のガバナンスが変わっていくことにつながっていきますね。

次号に続く

(鎌田真樹子 株式会社魔法のiらんど 安心安全インターネット向上推進室 室長)

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