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【読書感想】日本の風俗嬢

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日本の風俗嬢 (新潮新書 581)

内容紹介

「そこ」で働く女性は三〇万人以上。そんな一大産業でありながら、ほとんど表で語られることがないのが性風俗業界だ。どんな業態があるのか? 濡れ手で粟で儲かるのか? なぜ女子大生と介護職員が急増しているのか? どのレベルの女性まで就業可能なのか? 成功する女性の条件は? 業界を熟知した著者が、あらゆる疑問に答えながら、「自らの意思でポジティブに働く」現代日本の風俗嬢たちのリアルを活写する。

 同じ著者の『職業としてのAV女優』を興味深く読んでいたので、この新書も書店で見かけて即買い。

読んでいて驚いたのは、「風俗で働く」ということが、いま(2014年)の女性にとって、こんなに「狭き門」になっているのか、ということでした。

 僕はこの業界に詳しくなくて、『ナニワ金融道』の「フロに沈めたる!」みたいなのを引きずっていたんですよね。

 ああ、経済的に困窮してしまって、やむをえず「カラダを売る」ことになった女性が、たくさんいるんだろうな、と。

 風俗嬢という鏡が映し出すものは何か。それについては本書を読んでいただきたいが、最初にお断りしておけば、「お金のために腹をくくって裸の世界に飛び込み、涙を流しながら性的サービスを提供している」といったイメージはすでに過去のものである。

 どこにでもいる一般女性がポジティブに働いている。高学歴の者もいれば、家族持ちもいる。これが現在の普通の光景である。

 この新書を読んでいると、「どこにでもいる一般女性がポジティブに働いている」というのは、事実なんだろうなあ、と納得できるのです。

 現在は、風俗業界に「就職」することがかなり難しくなっており、業界内での競争も激しくなっています。

多少ルックスが良くても(ものすごく良い、ならともかく)、「イヤイヤながらやっている人」では、生き残っていけません。

 その一方で、著者は、「風俗は、もはや貧困女性のセーフティネットとして機能しなくなっている」ことも暴いていきます。

 若くて、ルックスが良くて、過激なプレイに対応でき、対人コミュニケーション能力を持った風俗嬢は、いまでも月収100万円を軽くこえる高収入を得ているのですが、そんなエリート風俗嬢は、ごくひとにぎり。

 以前であれば、「クラスの平均くらいのルックスの女の子」であれば、それなりに稼げていたのに、いまでは、競争率が上がって、「クラスの平均くらいでは、風俗業界で採用されるのも難しい」。

 性を売る行為がカジュアル化した理由は二つあり、「女性の性に対する意識の変化」と「貧困の深刻化」である。

 90年代から性風俗関連の取材を続けてきた私の感覚だと、ブルセラ時代と呼ばれた1980年代生まれが20歳になった2000年あたりから性の売買に抵抗のない女性は急増した。その後、数年間を費やして10代~40代の多くにその意識が浸透している。この期間に女性たちは性に対してポジティブになった。「肉食女子」なとという言葉が生まれたのも、そのあらわれかもしれない。

 現在のように性風俗関連の仕事をポジティブに捉える女性が本格的に増えたのは、2008年の世界不況(リーマンショック)で雇用が本格的に壊れてからである。90年代までは性を売る行為は転落の象徴であり、大多数はそこまで落ちたくないという意識がまだ根強かったが、その頃と比べて、意識はまったく変わっている。

「自分の才能や技術に対して、男性客が安くはないお金を払ってくれている。誰にも頼らずに生きているのだから、私は平均的な女性に比べても勝っている。むしろ上層部にいる」という意識すら見られるのだ。

 2000年代以降は友人の紹介だったり、求人サイトで自分の意思で応募をしたり、繁華街でスカウトされたりと、多くの女性が性風俗にポジティブに足を踏み入れている。志願者が増えすぎたその結果、需要と供給のバランスが崩れ、今は以前のように簡単に商品価値が認められなくなった。つまり、女性なら誰でも参入できるビジネスではなくなったのである。

 店舗型の風俗店の新規参入が難しいこともあり、現在は「デリヘル」こと、「デリバリーヘルス」が隆盛となっているそうです。

 デリバリーヘルスが該当する無店舗型第一号の1万7204店は圧倒的な数だといっていいだろう。セブン-イレブンの店舗数1万6450軒(2014年4月末現在)を凌駕する数値で、供給過多、増えすぎている業態である。

 セブン-イレブンよりも、デリヘルのほうが多いのか……

 さまざまなデータに基づき、著者は、日本の風俗嬢の人数を32万5000人~39万人と推定しています。

 「20歳から34歳の女性人口は約1000万人なので、風俗嬢人口が35万人とすると、この年齢層の女性の28人に1人が風俗嬢」となるそうです。

 しかも、それは「実際に従事している人の数」で、希望者まで含めると、もっと「潜在的風俗嬢人口」は多くなります。

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