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「人にやさしい政治」とは ―被災地での自殺防止を考える

震災後の復興に向けての取り組みが、様々なところで行われています。

「復興」というと、建物や、経済といった事に関してだけ注意が向けられがちですが、忘れてはならないのは人(ヒト)です。

今回の震災で、自分の家を失ったり、会社が壊れたりし、経済活動にも大きな被害がもたらされました。それと同時に、人の心も大きな打撃を受けているのです。

今回の震災のように、今まで遭った事のない衝撃的な場面に遭遇すると、人間の精神にも影響が出てきます。肉体が「けが」をするのと同じく、心もけがをするのです。
これをPTSD(Post Traumatic Stress Disorder)と言います。PTSDになると、夜眠れなくなったり、津波や建物の崩壊といった、過去に見たり経験した事がフラッシュバックとなって出現したりします。

PTSDは、衝撃的な出来事を経験してから、すぐには起こりません。大体1〜2カ月以上経過して起こるのです。

PTSDがなぜ重要なのかと言うと、早期に発見し適切なケアをしないと、PTSDに加えて、うつ病も発症し、「自殺」という最悪の事態が起こる可能性があるからです。

震災による大きな影響を受けた地区として、岩手県があります。被災地のうち、特に、岩手県は自殺「率」がもともと高い県です(全国第3位)。(参照:「平成22年版 自殺対策白書」PDF

心が痛むことですが、岩手県では自殺された被災者の方もいらっしゃいます。

mainichi.jp 東日本大震災:「精神的ケア必要」300人以上 岩手で ◇悲しみの連鎖…自殺のケースも 2011年5月22日

都市部と違って、地方の県では、もともと精神科を受診することに関して、しり込みする人が多いようです。被災地には、こころのケアチームが派遣されていますが、「本当はつらいのだけれど、周りを気にしてなかなか言えない」と言う人が多いと聞きます。

果たして、こうした状況が周知されているか、といえばそうではないのです。健康に関する問題では、放射線による晩発性障害については、メディアもこぞって取り上げます。実際、私自身、非常に重要な問題としてブログ等で取り上げています。

同様に、PTSDによる自殺についても、今まさに起ころうとしている事であり、政府や専門家、あるいはボランティアの関与が必要な問題です。これは、以前ブログにも書いたとおりです。
(参照:「遅れて」やってくるPTSD−「心の傷は生涯癒えないことがある」

民主党政策の要は、「ひとにやさしい政治」です。今、誰にも見つけられないまま「自殺」という危機にさらされている命を、すみやかに救ってあげることに、政府が責任をもって介入してゆくべきだと思います。

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