- 2014年09月03日 16:53
間違いだらけの内閣改造報道 正誤表付き
安倍晋三首相は3日、新たな自民党役員人事と閣僚を決定しました。内閣改造を巡るマスコミ各社の報道ぶりについては昨日、まとめて紹介したところですが、肝心の幹事長人事はいずれも「外れ」。他にも間違いの多いこと、多いこと。報道の量の多さも含め、異例の人事となりました。
注目されていた自民党幹事長には谷垣禎一前総裁が就任しました。総裁経験者の幹事長就任は初めて。下馬評にも上がっていなかったため、今回の人事における最大のサプライズとなりました。
幹事長を巡っては当初は石破茂氏の留任説が流れ、次に岸田文雄外相説が流れ、さらにここ数日では河村健夫選対委員長や細田博之幹事長代理、甘利明経済財政相らの名前が挙がっていました。読売新聞がスクープとして報じた「小渕優子幹事長」説も含め、いずれも不正解でした。
党役員人事については産経新聞が「選対委員長を廃止し、選挙対策を幹事長に一元化」すると報じていましたが、これも誤報。実際には経済産業相だった茂木敏充氏が就任しました。
閣僚に至っては間違いだらけ。文部科学相との兼務だった五輪担当相を切り離し、遠藤利明氏を充てると報道されていましたが、この案は見送り。実際には下村博文文科相がそのまま兼務し続けることとなりました。
大島理森氏を復興相兼環境相に起用するとの報道も誤り。実際には復興相に竹下登氏の弟である竹下亘氏、環境相に望月義夫氏を充てました。経産相と報道されていた高市早苗氏は総務相で、経産省には小渕氏が就任。総務相と報じられていた山口俊一氏は科学技術相でした。
読売新聞が報じていた逢沢一郎氏の入閣はなし。各紙が報じており、読売が見送りの可能性を指摘していた岩城光英氏の入閣もありませんでした。ポストの変更など多少の間違いはよくあることですが、ここまで数が多いのは異例。誤報を含めた報道の量の多さの原因は「首相周辺がしゃべりまくっているから」(永田町関係者)だそうですが、真偽を見極めるのが記者の仕事でしょう。
「マスコミは政局報道で間違えても決して訂正しない」というのは以前、紹介した通り。今回の改造報道でも、誤報を流した新聞は「方針転換」としてさらっと修正しています。
例えば読売新聞は「経済産業相に幹事長での起用を検討していた小渕優子・元少子化相を充てる。総務相には、経産相への起用を検討していた高市早苗政調会長を就任させる」。毎日は「総務相への就任が当初有力だった山口俊一元副総務相は科学技術担当相に就き、大島理森前副総裁は復興相兼環境相への就任が有力視されていたが、党務を重視すべきだとの周囲の意向などから見送られた」などなど。産経も「環境相との兼務で大島理森前副総裁を充てる方向で調整していた復興相には、最終的に竹下亘党組織運動本部長を起用することを固めた」などと反省の色はみられません。
マスコミが確信のない報道で誤報を繰り返すのは、競合他社への対抗意識から。しかし、一般の読者は複数の新聞を読み比べていませんし、内閣改造の詳細の報道が一日遅れようと、仕事や生活に支障をきたしません。
報道内容があっちいったりこっちいったりして惑わされるよりは、多少遅くても正確な記事を読みたいというのが多くの読者の思いでしょう。憶測報道は週刊誌や夕刊紙に任せておけばいいのです。あまりに誤報の多かった今回の人事取材を振り返り、深く反省してもらいたいと思います。


