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やっぱり日本は最先端だった?

リーマンショックとその後の不況から5年が過ぎたが、アメリカ経済は年平均で2%程度しか成長していない。ユーロ圏経済は一時のユーロ危機は脱しその後経済が上向かト思いきやイタリアは再度マイナス成長に陥り、好調だったドイツ経済もそろそろ限界が見え始めてきた。

ドイツ国債の金利は10年で1%を割れまさに日本国債のような状態だ。そして、ユーロ圏でのディスインフレ(もしくはデフレ)のストーリーがいろんなところで聞かれるようになった。

また、アメリカでも「長期停滞論」がより力をもってきている。そもそもリーマンショック以前から、賃金の伸びは弱くなり、生産性の伸びも停滞し労働市場参加率の低下も始まっていた。リーマンショックの結果としてアメリカ経済の停滞が始まったわけではなく、リーマンショック以前からアメリカ経済の停滞の兆候はあったとの見方が力を得てきているのだ。

こう書くと何か日本に似ているなあと思う気がする。

バブル経済の崩壊とその後の停滞。そして、労働生産性が伸びないのが原因だからアメリカにもっと見習えだの、金融緩和が足りないからもっと緩和しろだの、財政出動が足りないからもっと財政出動をしろだのというやかましい議論が見られた。まだ足りないという人もいるだろうが、ゼロ金利に量的緩和を延々と続けてきたし、財政もそろそろ借金が増えすぎてやばいんじゃないかというくらいにやってきた。規制緩和も十分とは言えないがだいぶ進んだ。だが、何も変わることはなく日本は低インフレ+低成長を続けてきた。

そして、格差の拡大。経済が好調な状態に入っても恩恵を受けるのは大企業と富裕層・高スキルの労働者という絵。まさにこれも今(実際にはリーマンショック以前、いやもっと言えば世界的に80年代から起こっていることだが)アメリカで盛んに議論されていることだ。

おそらく、日本もバブル経済崩壊以前から潜在成長率の低下がかなり始まっており、伸びすぎたぶんの適切な調整と当然のそのあとの低成長があったということなのだろう。

そして、同様の道を今アメリカも欧州も歩んでいる。

すこしおおざっぱな書き方になってしまっているが過去のこのブログで紹介した議論を集めていけば、証拠もいろいろそろってくるとは思っているしそういったものをベースに少し大きな絵の話を今はしているのだが…。

では、今後アメリカ経済はどういった道を歩むのだろうか。財政規律に対しては厳しさが残っているので経済が停滞したからといって財政出動をどんどんするという雰囲気はあまりない。金融緩和も量的緩和を解除しゆっくりと利上げ方向で動いている。

政策当局者が「潜在成長の低下」と「それに対して金融政策や財政政策でできることは限られる」ということをきっちりと認識しているあたりは日本とは全く違うといえるだろう。

一方でユーロ圏では財政出動やさらなる金融緩和の話も聞かれるようにはなっている。

たぶん日本の経験や今起こっている事実に照らして言えば「何をやってもあまり効果はない」が結論になるだろう。

世界経済の一体化とインターネットという90年代以降の最強の技術革新が終わってしまったことで今の先進国の停滞は始まっている。加えて「大衆にばらまけばそれでよい」という福祉国家が多くの人間の勤労意欲をそいでしまっている。

たぶん、欧米ともに日本を同じような道を歩むことになるのだろう。そして、日本はこの後どうなるのか。ただ一つ言えることは絶対水準では十分に豊かになりすぎた我々が余暇やプライベート・命を犠牲にしても経済成長にまい進したいのかといわれると多くの先進国の人間が「ノー」と答えるのが現状ではないだろうか。よって緩やかな衰退(低成長)が今後も続いていくのだろう。

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