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【ガザ点描】 日本の援助打ち切り 助かる命も助からず

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『Japan ODA』、消防車の車体にはシールが貼られていた。=7月23日、ガザ市内 写真:筆者=

 イスラエル国境に近いガザ東部のアル・シジャーイヤには、イスラエル軍の苛烈な爆撃が続いていた。昼夜を隔てずして空と陸から砲弾が雨あられと浴びせられていた。

 夥しい数の犠牲者が出ていることは自明の理だった。負傷者の救出に向かう救急車に、筆者は同乗した。24時間以上の「本格停戦」など、まだない頃だった。レスキュー隊の使命感の高さには敬服する他なかった。

 負傷者の救出作業のためにレスキュー隊は、赤新月社(アラブ社会の赤十字)を通して、わずか2~3時間の「人道停戦」をイスラエルに求めていたのだった。

 レスキュー隊の隊長(と見られる人物)が、筆者を日本人ジャーナリストと知るや、人なつっこい笑顔で言った――

 「日本の援助で機材を揃えていたんだ。それなのに7年前から援助を打ち切られた。レスキュー活動が満足にできないよ。(日本に)帰ったら援助を再開するように言ってくれよ」。

 消防車の車体には『Japan ODA』とシールが貼られていた(写真・上段)。

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レスキュー隊員はこれまで日本に好意的だった。だが安倍政権が進めているイスラエルへの武器輸出が実現するようなことになれば、一気に敵対的な関係になりかねない。=写真:筆者=

 7年前とは2007年のこと。ハマスがガザを名実ともに支配するようになったことから、イスラエルがガザの本格封鎖を始めた年だ。

 米国にひたすら追従する日本はイスラエルに同調する形で、ガザ地区への援助を打ち切ったのだろう。

 空爆にあったガザ市内のビルで生き埋めになり、機材さえあれば救出できたケースが前日にあったばかりだった。

 日本の援助が数多くの命を救ってきたことも事実である。2007年以降は、援助が打ち切られ、助かる命も助からなくなった。これもまた重い事実だ。

  ◇

紙幅の都合により『ガザ発』の記事にはできなかったものの、伝えなくてはならない事が あまた あります。『ガザ点描』で少しずつ掲載して行きます。


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