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- 2014年09月02日 12:19
一応の解決:厚労省「日本人カジノ、NG」の怪
いくつか前のエントリにて、「カジノ、日本人はNG:厚労省に聞きたいこと」と題して問いかけさせて頂いた質問に関連して、田村厚生労働大臣から閣議後記者会見という形でお答えがあった模様です。以下、厚労省報道発表より転載。
1) 今回、「日本人はギャンブルにのめり込みやすい」と日本国民の民族的特性を結論づけた国際比較は妥当なのか?
実は、本件にて依存症の有症率調査を行った組織ですが、メディア上では「厚生労働省の研究班」などという呼び方をされていますが、実態として、これらは厚労省から研究補助を受けて調査を行っている民間側の研究チームなのであって、厚労省の機関ではありません。時事通信はその初期報道において、「厚労省が…という立場を示した」という報じ方をしてしまったわけですが、実態としては各種コメントはこの民間側の研究チームの周辺から発されたもの。それが、あたかも厚労省の公式見解であるかのごとく報じられたことが、今回の騒動の始まりであります。この点に関しては、情報の裏取りをせずに、不正確な報道を行った時事通信側の失態といえましょう。
ただし、この民間研究チームにも同時に問題がありそうです。この民間研究チームは、あくまで科学的観点から依存症実態の把握を行うことを目的として組成されたチームとして研究補助を受けているのであって、その先にある政策の立案や審議を担っているものではありません。ところが、私が各種聞き及んでいるところによると、この研究班の関係者が、ギャンブル依存症のみならず、アルコール依存症やその他の依存症に関しても、アチラコチラで調査結果を超えた政治的な、もしくは政策的な発言を行っているとのことです。
本件においては、「日本人はカジノNGとすべき」だとか、「関係府省に働きかける」だとかが、そのような政策的な発言にあたるわけですが、それらが前述のとおり時事通信の裏取りの甘さもって、あたかも厚労省の公式見解課のような形で報じられてしまった。時事通信はもとより、民間側の研究チームのもともとのスタンス自体も、非常に不適切なものであったといえましょう。
…というのがここまで至った全体の背景ですが、いかなる経緯があるにせよ、このように大々的に誤報がなされてしまった現状において、各関係者は少なくともそれらを訂正する努力を行って頂きたい。その上で、わが国ですでに存在している各種依存症への対策を正しく実施できるよう、我々業界側も含めて不断の努力を積み重ねてまいりたいものです。
田村大臣閣議後記者会見概要先のエントリで書きました個別の質問に関してですが、以下のような回答のようです。
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000056071.html
厚生労働省が日本人の国内のカジノ利用を認めないよう求めていく方針、及びギャンブル依存症536万人であると報道が一部流れました。これに関しての厚生労働省の見解でございますが、8月18、19日に一部報道機関で今申し上げたような厚生労働省がギャンブル依存症対策のために日本人の国内のカジノ利用を認めないよう求めていく方針であるという報道があったわけでありますけれども、そのような事実はございません。厚生労働省として、日本人のカジノ利用に対して否定的な意見を申し上げたことはないわけでございますので、そのように御理解いただきたいと思います。[…]
1) 今回、「日本人はギャンブルにのめり込みやすい」と日本国民の民族的特性を結論づけた国際比較は妥当なのか?
田村厚労相:2)なぜ現存する賭博種ではなくカジノに対して「日本人はNGとすべき」という結論を導き出したのか?もしくは、他の賭博業種に関しても同様の「働きかけ」を各府省に対しておこなってゆくのか?
なお、536万人というギャンブル依存症の数字でありますけれども、調査対象にパチンコ、スロット、こういうものを含んでおります。そういう意味からしますと、これをギャンブルと見るかどうかという問題、それから当然、店があるということはやってる方がおられるわけでありまして、世界で、このようなギャンブルというのかどうか分かりませんが、パチンコ、スロットがこんなにある国は日本しかないわけでありまして、当然それだけ多いパチンコ、スロットでありますから、やっている方々がおられれば、それに依存症というものがカウントされてくるわけでありますから、これをもって世界と比べてギャンブル依存症が多いというふうに判断するかどうかというのは、詳細に分析しないと、なかなか一概には言えないものであろうと思います。
田村厚労相まぁ。そもそも時事通信が行った初期報道の「書きぶり」自体が見る人が見れば、非常に違和感が満載のもののでありまして、先のエントリ内でも書いたとおり私自身は当初からいろいろな尾ヒレがついた形で報道されたものであろうと考えておりました。上記のように大臣があわてて報道を否定するという形で予想通りの結果となったという次第です。
ほかにもコインゲームでありますとか、いろんなものがあるわけでありまして、そういうものも入れるのか入れないのか、いろんな話があると思いますけれども、いずれにいたしましても、これがIR法に直接関わる話ではないと。当然あるから数字が上がってくるだけの話であって、日本は今までカジノがないわけでありますけれども、しかし、今回の分析でいえば、ギャンブル依存症が多いという話になりますから、これはまた相反する話になるわけでありまして、ですから今回の数字というのはあくまでもパチンコ、スロットが入った中での数字であるというような認識であるということでございまして、決してIR法との関連でこのような数字を出したということではないということは、御理解をいただきたいと思います。
「カジノ、日本人はNG」:厚労省に聞きたいことただし、ここには未だいくつかの問題が残っております。第一にそもそも時事通信はなんの根拠をもって、このような壮大な誤報を行ったのか。天下の時事通信社が、まったく根拠のないものをこのように大々的に報じるわけはないのでありまして、その背景には必ず「何か」が存在していたはずです。
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/8496215.html
実は、本件にて依存症の有症率調査を行った組織ですが、メディア上では「厚生労働省の研究班」などという呼び方をされていますが、実態として、これらは厚労省から研究補助を受けて調査を行っている民間側の研究チームなのであって、厚労省の機関ではありません。時事通信はその初期報道において、「厚労省が…という立場を示した」という報じ方をしてしまったわけですが、実態としては各種コメントはこの民間側の研究チームの周辺から発されたもの。それが、あたかも厚労省の公式見解であるかのごとく報じられたことが、今回の騒動の始まりであります。この点に関しては、情報の裏取りをせずに、不正確な報道を行った時事通信側の失態といえましょう。
ただし、この民間研究チームにも同時に問題がありそうです。この民間研究チームは、あくまで科学的観点から依存症実態の把握を行うことを目的として組成されたチームとして研究補助を受けているのであって、その先にある政策の立案や審議を担っているものではありません。ところが、私が各種聞き及んでいるところによると、この研究班の関係者が、ギャンブル依存症のみならず、アルコール依存症やその他の依存症に関しても、アチラコチラで調査結果を超えた政治的な、もしくは政策的な発言を行っているとのことです。
本件においては、「日本人はカジノNGとすべき」だとか、「関係府省に働きかける」だとかが、そのような政策的な発言にあたるわけですが、それらが前述のとおり時事通信の裏取りの甘さもって、あたかも厚労省の公式見解課のような形で報じられてしまった。時事通信はもとより、民間側の研究チームのもともとのスタンス自体も、非常に不適切なものであったといえましょう。
…というのがここまで至った全体の背景ですが、いかなる経緯があるにせよ、このように大々的に誤報がなされてしまった現状において、各関係者は少なくともそれらを訂正する努力を行って頂きたい。その上で、わが国ですでに存在している各種依存症への対策を正しく実施できるよう、我々業界側も含めて不断の努力を積み重ねてまいりたいものです。



