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WebエンジニアにせよWebデザイナーにせよ生存戦略に必要な1つの視点

丁度、フロントエンドのデザイナーの募集要項を書かなくてはいけない宿題を抱えたまま、風邪を引いて寝てたら、zerobase石橋さんの面白い文章があった。

ウェブサービス開発の現場におけるデザイナー不要論と5〜10年後の生存戦略 – 情報建築家 石橋秀仁

確かにBootstrapなどのフレームワークの発達やAndroidのマテリアルデザインは、極端なことを言えば、WebやアプリデザインのVisualBasic化でありパワポ化に向かって行くと思う。少しデザインセンスの良い開発者であれば、「そこそこカッコいいもの」は作りやすくなっていく。だから絶対的にこれまでのWebデザイナーと言われる人たちが必要かというと、そうでもないというのはあるだろう。

一方で、Flash全盛期よりWebの制約が減っていて、HTML5でリッチなデザインを作りやすい昨今、グラフィックデザイナーに近いWebデザイナーは、広告クリエイティブなどで、よりビジュアルに特化した仕事は増えて、二極化していくのかもしれない。

技術の進化で辛くなるのは常に中間層であり、グラフィックデザインの力などに中途半端感があるならば、Webらしい何かに特化する方向に舵を切っていくのもキャリアパスの重要な部分。そういう意味では石橋さんの文章は非常に参考になるのではないだろうか。

いずれのパターンにも共通点として必要なものは、僕らが提供しているのは「ネットの向こうに人間が存在するコミュニケーションである」という視点だと思う。

少し話を変えてみよう。

常々思っていることなのだが、楽天ショップに見られる「長いページに沢山の情報を書く」という圧縮陳列型、デザインパターンの存在意義を理解し、「それはそれ」として受け入れられるか?という部分は、デザイナーのキャリアパスにとっては大切だと思う。

楽天ショップにあるような沢山の情報を見せるデザインパターンを、多くのWeb関係者は感覚的に嫌う人が多い。

しかし、あの情報陳列は、以下の要素に基いてビジネスに寄与しているのではないだろうか?

・人間は不要だと思う情報を読み飛ばす能力がある
・お客さんがモノを買う時に、必ずしも何に響いて買うかはわからない。
・だから、いろんなことを伝えて、どれが1つで心の「いいね」を押させたい
・故に大量の情報を飽きさせず、スクロールさせながら読ませることに力を入れる

という手法ではないだろうか。ついついスクロールして読んでしまうデザインを提供し、ショップオーナーさんのメッセージを伝える。それこそがあのデザインパターンの「つたえる力」ではないだろうか?

それに対して必要最小限にまとめるミニマルデザインというのは難しい。僕がいるBASEは完全にこっちを理想としているが、どう難しいかというと、何を大切にして、何を捨てるかを決めなくてはいけないからだ。

「何を大切にして、何を捨てるか」は、サービスのデザインである。また、提供するユーザエクスペリエンスを規定するものであり、ビジネスそのものだ。

「捨てる」部分は、間違ってもビジュアルデザインの良し悪しなどで決められることではない。その上で、一度、実装すると決めたUIや記載する情報については、ビジュアルデザインの力も最大限導入して、使いやすいサービスとしてまとめていくことになる。

最適なデザインは、最適なコミュニケーションと最適なビジネスを模索するものである。
いろんなサービスの成功要因を理解し、適切に形にできるデザイナーであれば、どこでも生き残っていけるのではないか。

自分の得意技や好みにこだわりすぎることなく、必要とあらば楽天ショップの圧縮陳列で人を魅了するデザインもでき、ミニマルデザインも事業の方向性にあわせて考えられる人というのがいたら無敵だと思うけどね。

結局のところ、Webのデザイナーに必要なのは、楽天ショップのショップオーナーさんと同じで、やっぱり「つたえる力」だと思うのです。

それをカタチにし実現するためにフロントエンドの人には、IAもやるし、Photoshopも使うだろうし、HTMLやJavaScriptも書いて欲しい。ページに埋め込むためにサーバサイドテンプレートも編集して欲しい。スマホアプリを作るなら、スマホは動き自体にデザインが伴うので、そのためにObjective-CやCocoaのようなUIフレームワークを勉強してないとデザインできないですよね?とか。

月並みに言うと、

「サービスが伝えたいと思うコミュニケーション、その上で感じてもらうユーザ体験を自ら考え、フロントエンドに関わるありとあらゆる技術や技法を使って形にしていく仕事」

というのが、少なくともWebサービスに関わるWebデザイナーの理想像ではないかと思っている。
この視点で、石橋さんの記事を読み返すと、どうやら「フルスタックウエブデザイナー」の範疇に当てはまるようだ。

ハードル高っ。だが、そこにギャップがある現状なのは理解しているつもり。

そういうことを最初から全部できる人はほとんど見たことがないので、仕事の中で経験し、育てていくことになると思ってます。ただ、その人に信頼を置いて賭けていくためには、それ相応の期待を意思決定者に持たせる必要があるでしょうね。何せ、フルスタックウェブデザイナーと言われてしまうぐらいですから、全員の人ができるとは思ってないわけで。

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