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シッターの予約からやりとり、支払いまでをこなせるアプリ「CluckCluck」

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シッターというとまだまだ日本では少ない印象があるが、昨年の10月に日経新聞が報じたところでは、共働きの家庭で1千万世帯以上と、我が国でも増加傾向にあるようだ。

対象は乳児や幼児にとどまらず、12歳ほどまで需要があるという。また、ただ子どもの面倒を見るのみではなく、子育てに悩む母親の相談相手になったり、子どもの対人関係を広げるといった効果も評価されている。

12歳以下の子どもから目を離すことが禁じられているという事情もあって、シッターが積極的に活用されている米国では、1つの家庭で複数のシッターを雇うことも珍しくない。予定していたシッターが突然仕事に入れなくなったときにも、他のシッターにピンチヒッターを頼むことができるようになるからだ。

しかし、シッターの数が増えれば増えるほど、情報共有は難しくなる。どのようなことに注意すれば良いのか、どのようなタスクを行って欲しいのか、いちいち密に伝え、理解してもらう必要がでてくるのだ。

今回紹介する「CluckCluck」は、そうしたシッターとの情報を手軽に共有するために作られたシッター管理アプリだ。シッターの予約、緊急連絡先、タスクの管理、支払いなどを一括管理できる利便性が評価され、2014年アトランタのTechcrunch meetupではオーディエンスチョイス賞を獲得している。

シッターの予約、タスクリスト、給与支払いまでこなせるアプリ

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CluckCluckはシッターを探す親と、仕事を探しているシッターを結びつけるマーケットプレイスではない。ターゲットとなるのは、すでに複数のシッターと知り合いで、彼らに仕事を頼む際の手間や情報共有をより行いやすくしたいと願っている親たちだ。

利用者はアプリを2.99ドル(約300円)で購入後、子供のプロフィールや緊急連絡先などを登録する。その後は仕事を依頼したいシッターたちを招待して、登録を行ってもらう。なお、「Gift」オプションを使う事でアプリをシッターにプレゼントすることも可能だ。

仕事を依頼する時には、子どもを見てもらいたい日時を入力し、アプリに登録しているシッターたちに連絡。するとその時間に入れるシッターが早いもの勝ちで仕事を引き受けてくれるというしくみだ。

また、普段お願いしているやり取りや子どもにやらせてほしいこと、緊急の依頼なども共有することができる。そのため、その都度シッターに直接説明する時間と手間を省くことができる。

仕事を任されたシッターは、アプリ上に表示されたタスクリストに従い、習い事の付き添いなどを実行してもらう。完了したタスク情報は常時アップデートされ、親はアプリを介して状況確認やシッターとメッセージのやり取りを行えるのだ。

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同アプリのもう1つの大きな利点は、シッターへの支払いをPayPalで行えることだ。PayPal利用時には99セント(約100円)の手数料が必要となるが、直接お金をやり取りする手間を省略できるようになる。支払い履歴にも残り、エクセルなどにアウトプットできるため、確定申告にも便利だ。

なお、同アプリにはシッターの利用料金に関する規定や規則はない。そのため報酬は雇い主である親が決めた料金がそのまま適用されるようだ。

子どもがいつお昼寝をして哺乳瓶を飲んだかといった日常の様子を知りたかった

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CluckCluckの創業者はHeather Joyce(写真左。以下、ジョイス)氏とErin Matzkin(以下、マツキン)氏の2人。

両氏は何年もの間、技術系の弁護士として働いていた。ともに結婚して子どもを持ってからも仕事と家族について話し合っていたジョイス氏らは、今の生活を送る上で自分たちのニーズに合ったサービスがないことを不満に思っていたという。

そのアイディアは、ある日シッターを見つけようとメールを次から次へと送ることにストレスを感じていて考えついたものだ。

シッターに関するサイトは多数あり、ジョイス氏らも「Karoo」などの人気アプリを利用したこともあった。しかしこれらは普段お願いしているシッターとのやり取りやタスクを一元管理することができなかった。

なければ自分たちで作ろうと、ジョイス氏らは起業を決意し、航空エンジニア、UCLAの講師、家計アプリBudget Bossの創設者など、多くの肩書をもち、なおかつ3人の子を持つDamian Toohey氏を招き、CluckCluckの立ち上げを手伝ってもらった。

彼女らがCluckCluckで目指したのは、行うべきやり取りやタスクを整理し、よりシッターの行っていることを見えやすくすることだった。

冷蔵庫のドアにメモを貼り付ける代わりに、両親の連絡先や緊急時のシッターの連絡先をアプリに共有する。サッカーの練習、学童保育、宿題、昼寝やおやつの時間といった子供の予定も共有できる。シッターはこれらの予定が終わればその欄をクリックするだけでもよいし、メールや写真を添えてもよい。

"息子をお願いして仕事に行った時、その子がいつお昼寝をして哺乳瓶を飲んだかといった日常の様子を知りたかったの。子どもが大きくなった今は宿題をすませたか、サッカーの練習には行ったのか、そういうことを知りたい。それがCluckCluckならわかるのよ"
- ジョイス氏

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さらにジョイス氏らは支払いをカードやおさいふケータイといったもので済ませる消費者が増えていることに着目し、PayPalを使ってアプリ経由で報酬を支払えるようにした。

"親は帰宅途中にATMに寄るのが大変なの。CluckCluckを使えば、支払い料金を計算してくれて携帯電話からシッターに支払うことができる。いくら使ったか履歴だって見れるのよ。もうキャッシュを用意しておく必要がないことに喜ぶ人が多いみたい"
- ジョイス氏

タスクリストで仕事を明確化。シッターにも自信をもたせるサービス

CluckCluckは一見すると「Care.com」や「UrbanSitter」、「Cozi」といったサイトと似ている。しかしこれらのサイトがシッターを探すことも行っている一方で、同アプリはシッターとより簡潔で、より密なコミュニケーションが行えることに特化している。

"タスクリストがあるおかげで、シッターは長文のテキストメッセージを打つ必要がないの。それにあらかじめお願いしてあることがアプリで明確になってるからいちいち親に干渉されない。それはシッターに自信をもたせることにもなるのよ"
- マツキン氏

子どもをシッターにお願いしていても我が子の行動が気になるのが親の常だ。しかし頻繁にシッターに干渉すると彼らのやる気を奪ってしまう。そうしたコミュニケーションや支払いをスムーズに行えるようにしたことが、同アプリの強みだろう。

まだベータ版が始まったばかりだが、CluckCluckは親としての義務と仕事とのバランスを取ろうとする女性たちのためにデザインされたアプリであることは間違いない。ちなみにCluckCluckの名前は、名前は雌鶏(母鶏)からきているそうだ。ひなが無事大きくなるまでこのアプリは利用されつづけるだろう。

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