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Google自走車の走行速度変更で感じるドライバーの判断の複雑性

Googleは「人間のミスや無能さ」が交通事故原因の90%を占めているというレポートのもとにしてでしょうが、自走車への取り組みに熱心です。そのGoogleの自走車の自動運転で、法定制限速度よりも時速10マイル(約16km)オーバーで走るようプログラムが変更され、その賛否をめぐって熱い議論が交わされているそうです。プログラム変更理由は、そちらのほうが安全だからというものです。
グーグルの自走車、法定速度より時速16km超で走るようプログラム変更 : ギズモード・ジャパン
賛成か、反対かよりも先に、おいおい、Googleさん、そんな単純な走行プログラムでいいのかと疑問が湧いてきます。

住まいのすぐ近くに、制限速度が普通なら60Kmだと感じる、立派な片側二車線の県道があります。しかし実際には制限速度が50Kmです。面白いのは、近隣の人でも50Kmは超えて運転していますが、まず60Kmを超える運転はしません。なぜならいわゆる「ネズミ捕り」の有名スポットだからです。
この県道は、先にゴルフ場がいくつかあるので、それを知らずに車を機嫌よく走らせていてひっかかる人が多い道路です。
その道路で「ネズミ捕り」が多いのが納得できるのは、ゆるやかなカーブであるにもかかわらず、あるいはカーブがゆるやかだからでしょうか、時々、信じがたい場所で運転ミスによる事故が起こっています。死亡事故もありました。

もしGoogleの自走車がこの県道を66kmで走れば、かなり速度違反の取り締まり対象となる可能性が高いのではないでしょうか。自走車が「ネズミ捕り」にひっかかった時に、取り締まりの警官はどうするのでしょうか。だれに反則キップを切るのかを想像していると吹き出しそうになります。
記憶していなかったのですが、「ねずみ捕り」で検索してみると、結構上位に我がブログ原稿がでてきました。こちらはおまけ話です。
「ねずみ捕り」が変わるらしい

たしかに、制限速度を文字通り守って運転することは必ずしも安全とはいえない感じがします。田舎に行くと、たまに制限速度どおり、あるいはそれ以下で走る車があって、その後ろに長蛇の列ができてしまうということもあります。むしろ自然な流れに素直にあわせるほうがストレスもありませんし、制限速度を超えて走ったほうが自然だということも多く、Googleが杓子定規に法定速度を守るのではなく、プログラム変更を行なったことは納得します。

しかし、実際には、ドライバーは、制限速度の16Kmオーバーとか、制限速度の何%増しとかではなく、状況によって判断し、走行速度をコントロールしているものです。警察もそれがわかっているから、杓子定規な取り締まりはやっていません。制限速度の10%オーバー程度では、スルーしているようです。

しかし、走行距離が多いにもかかららず、実際に事故を起こしていない優良ドライバーがどう判断してスピードをコントロールしているかは、結構複雑だと思います。

運転のスキルもあるでしょうし、慣れている道路なのかそうでないのか、混雑の程度、周囲の車の運転状況、その道路が住宅地の近くなのかそうでないのか、天候の具合、いやもっとあるでしょう。意識せずにほんとうに多くの要素を読み、複雑な計算を行なって判断しているのだと思います。

それを、定制限速度よりも時速10マイル(約16km)オーバーで走るようプログラムを変えるというのでは、自走車のプログラムのレベルは、まだその程度かとかえってがっかりします。

高度な人工知能を駆使すれば、優秀なドライバーの複雑な状況判断に近づく、あるいはそれを超えるプログラムがやがて生まれてくるのでしょうか。きっとGoogleの自走車プログラムもどんどん進化を目指しているのでしょうが、そうでない限り、まだまだ自走車プログラムは、限定的な用途、あるいは補助的な目的で使うべきものということでしょう。

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