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日本の経済を、考え直そう

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 というような勉強会や審議会のようなものに立て続けに参加させられ、思うところも多かったのでダイジェスト風に。明日は朝っぱらから日帰り出張なので手短になるのはご勘弁。

● 国債とか

 「復興国債は市中で消化できる規模でまず発行」とか言ってて、やはり「市中でこなせる金額が分かってればボンドトレーダーは苦労せんだろボケカス」という応酬が為されて微笑ましいわけです。どっち陣営がどっち陣営だったかは自粛。日銀大量供給と包括緩和と簡単には言うけれど、順番を間違うと共倒れになるんだよ。

 で、やらかしがあるわけですね。

福島原発問題で揺れる東京電力、社債は日銀の購入対象に (1)

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aZwUJHw_MnLo

 たぶん、日銀の揮発性のオペというものを市場からも内部からもきちんと理解していない面白経済新聞の方面から出た話ということで、いずれにせよ三度目はないよねというお話でございます。

 国債引き受けを日銀に求める動きと変な連動をしているのもまた事実でありまして、観測気球を上げさせるという余裕が官邸にあるはずもなく、単純に日銀の無謬性のような概念に対して挑みたい素人がきっとたくさんいるのだろうと妄想するところで。このクソ大事なところで何をしているんだろうと。間違いなく償還乗換と中期の復興国債の引き受けを混同していると思うんですよね。政府要請も満足に検討できない状態で思惑一丁の働きかけをするなと。市場が混乱するから。

● インフラとしての中央銀行

 上記と似て非なる議論として、市場から見た中央銀行のインフラ的側面というお話がありまして、まあ平たく言うと特融どうすんのという話でもあります。平たく言いすぎたか。でも、復興国債というのは瞬発力のない持続的な対策の一助であるのに対し、いま現段階の問題として「バランスシートの両側に計上していた数字が消えた」という実情に対する対処なのであります。

 簡単に言えば、某信金では信金の持つ支店がホストごと津波に流されて復旧不能であるばかりか、借り手の資産が壊滅してしまって資産価格が算定不能な状態となり、不良債権として処理しようにも債権債務両方が吹っ飛んでいるので、破綻処理をしなければならないという話です。だから、ゴミ箱銀行を作ってとか従来の金融行政の枠内では処理できないので、復興支援を行うためのツールとしての金融機関がまるで機能しないのでござるということで。

 なので、復興資金で20兆という大雑把な試算とは別に、地域経済の再建という観点からすると結構戦前的な殖産興業の観点からの政策課題が積み上がるので、本当に駄目になってしまった金融機関を破綻処理していく作業とは違うアプローチも並存させて実施していかなければならない、という政策課題もまたあるわけです。

 そのような話をわあわあ主張しておりましたら、いみじくも政権党である民主党の中ではいまだそのような議論がきちんとは為されていないというお話をご本人から伺うこととなり肝が寒くなったのであります。それはまずいでしょうよ。

● 東京電力とか

 話題としてはこの夏のピーク電力どうするんだよ話と、東京電力という会社そのものをどう国家がカバレッジかけていくか話とがパラレルに動いていて、もう短期も長期もごっちゃになって処理しようとする提案が支持されていて、実務としては頭の痛いところではありますけれども。

 とりあえず、2兆円の緊急融資とか文字通り「最後には国家が救うんでしょ」という暗黙の諒解を再度確認するものであります。ファニーメイ的な。枝野さんも、かなりうっかりではありますがこの段階で東電を「免責しない」と言ってしまい、また石原元官房副長官が菅首相に直言して復興庁構想を葬り去ってしまってます。なので、もう方法論としては上下会社分割で地域統合していくようなJH方式が如き処理を前倒しにしてオンゴーイングの問題に対処という形になるのでしょうが、そういう東電をそもそもどう処理していくんだよという問題と、東電の機能である電力供給を夏場に向けてどう担保していくのかというこれまたオンゴーイングな問題とをオーバーラップさせてしまうので、結局は帝都電力なのか東日本電力なのか知らないけどでっかい国策電力会社がまた寡占して太る的な古き良きジャパンが再復活するわけであります。

 このあたりはいまの官邸が悲しいぐらい無策であって、方針が出ないものだから、とりあえずこうしておこうという応急処置がそのまま最終対処に昇格してしまい、両足を切断しないと死んじゃう患者に取り急ぎ貼った絆創膏が最終局面まで貼られっぱなしで「まあいいんじゃないの」風の結論になりましたというメガトン級の残念さを感じます。

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