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難病の人が働きやすい職場は、みんなにとっても働きやすい~大野更紗×麻美ゆま対談・後編

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ダイレクトに「頑張って下さい」と思ってくれれば、それでいい

永田:どうしても腫れ物を触るように接してしまうケースが多いと思うんですけれども。 今、お話にあったように、病気になったからといって、仕事の能力がゼロになるわけではないので、役に立てる部分は役に立てるし、配慮できる部分を配慮して、少し気を遣うだけで共生できる部分もあるということですね。

大野:かなりあると思いますね。もちろん定期的に通院しなければいけないとか、休みを確保することを理解してもらわないといけないとか、いろいろあるとは思うのですが。

これは確信していることですが、ガンや慢性疾患など広く難病の人が働きやすい職場というのは、働きやすいと思うんですよね。フレキシブルでしょうし、「もしかしたらこういうこともあるかもしれないなあ」ということを職場のみんなが、少しずつ考えるようになったりもするでしょうし。よく中小企業の方には「その人が休むと、ほかの人たちに負担がまわるから厳しい」と言われることもあるのですが、誰かが休んだ途端に持続性がなくなってしまう勤務体制がそもそも、青色吐息という気もします。いろいろなケースがあるとは思いますが、病気を持ちながらでも、変な言い方ですが、“元気”に働ける…で、いいですよね。

現状は“ギリギリ元気”という感じですよね。だから、もうちょっと“元気”に働けるといいなと、いつも思うんです。今は、本人が一生懸命自分をすり減らして努力して、ギリギリを推移しているのですが、社会の方がもうちょっとスローダウンして本人のペースと合ってくれたらいいかなと思いますけどね。

永田:麻美さんは、現在では精力的に活動されていると思いますが、自分としてはもうちょっと頑張れるけど、周りがストップをかけてしまうというような葛藤はありましたか?

麻美:自分自身は今もそうですけど、元気というかもう何事もないと思っているんですよ。定期健診を受けている状態なので、もし万が一再発があったりすれば、また治療が必要になるかもしれません。でも裏を返してしまえば、その何もない期間はいたって普通だったと私自身は思うんです。

でも、周囲は「大丈夫なの? 制約とかあるの?」と言ってくれるので、うれしかったりするのですが、自分自身が大丈夫と思っていても、周りが大丈夫じゃないと思っているのかもと時折感じたりしますね。

永田:そういう意味では、自分の状況をきちんと伝えることが大事ですよね。

大野:特に、就労の話をヒアリングすると、男性は弱音を語るのが苦手なのかもしれないですね。「大丈夫です」「難病でも、やれます」と、一生懸命以上に頑張ってしまう。 当事者の方がすごい頑張っちゃうわけです。

永田:自分の弱い所を見せたくないと思って頑張ってしまうわけですね。

大野:低空飛行でいいんですよ。スローで飛行していけば、もうそれだけで素晴らしいこと。難病を抱えて、病状をコントロールして、更に就労までしているのだから、それで充分なんですけれども。

先程、弱音の話がありましたが、弱音って大事かなと思う時があります。永田さん、司会者なのに、逆に質問しちゃって悪いんですが、BLOGOSの編集部内では、弱音は言いづらいですか?

永田:私の職場ですか?編集部のチャットグループがあるのですが、そこはメンバーが限られているので、気軽に「辛い」とかいえますね。

大野:ある程度閉じていないとダメですか?

永田:全社的には自分自身が言いづらい部分がありますね。でも、例えば「自分の奥さんが病気だから早く帰りたい。その分、朝早く来ます」みたいな話であれば、会社全体がどうかという話はできませんが、編集部内に限って言えば、言いやすいのではないかと思います。

大野:やっぱり人間ですから、良い時もあるし、悪い時もある。「こういう事情があるんだよ」ということを、世間話みたいに気軽に話せるような、そういう世の中になるといいなと、たまに思います。麻美さんはどうですか?

麻美:病気の時には、「これを聞いちゃいけないのかな」とか、気を遣っているのが、相手の顔を見ると分かるんですよね。でも病気のことって、分からないじゃないですか。だから、聞きにくいことも聞いてもらいたいなと私は思ったりしましたね。

よく言われたのが、「頑張っている人にこういうことを言うのは失礼かもしれませんが、頑張って下さい」とか。ダイレクトに「頑張って下さい」と思ってくれれば、それでいいのにと思っていました。「こういうの、言ったら失礼かな」とか、そこまで気を遣ってもわらなくていいのにと。

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