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「主流から外れた自分」が会社で生き残るには? TBSラジオ 黒幕プロデューサーの文化系仕事観

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組織に所属すること=足りない部分を補い合えること

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他人がやりたがらない仕事をきちんとこなすと目立ちますし、評価にもつながりそうです。

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他人の評価はプラスマイナスの収支計算で決まるんですよね。マイナスを補うためのプラスをどこでどう稼ぐかが重要です。

計算の仕方には個人差があり、単純にプラスとマイナスの足し算で決める人もいれば、マイナスがn個になればアウトにする人もいます。会社や上司の「収支計算ルール」をある程度見極めて、コントロールをする必要があるんです。

ぼく自身ははじめからマイナスをいくつも背負っていると自覚していました。「自分の努力がマイナスと評価される」部署ではプラスを積み上げられません。そのときは「この部署には向いていないんです」と暗に伝えてみたりして、自分のプラスが評価される場で働けるよう調整することも大事です。

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「自分のプラスが評価される場」、つまり自分が働きたい部署で働くために、どんな準備をしていましたか?

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自分を推してくれる人を見つけ、その関係性を大切にしていました。ぼくがいまこうして制作の仕事ができているのは、ぼくを営業から引っぱってくれた当時の制作部長のおかげなんです。

その部長がある時、部署の違う僕を飲みに誘ってくれたんです。「長谷川君はいま営業にいるけど、本当はどんなことをやりたいの?」と聞かれ、「こんな番組を作ってみたいんです」と自分の思いを率直に話してみた。

そこから制作部長との関係性が始まったんですね。何かとメールで連絡をいただいたりと、何かと気にかけていただきました。自分を評価してくれる人といかに出会うかが大事だと思います。

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長谷川さんは現在チームを率いる役割ですよね。どんなチームを作っていますか?

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ぼくのチームは、自分と同じような「あいつはそういうやつだから」枠を積極的に受け入れようと思っています。そういう人は、ある種目がマイナスで評価されなかっただけで、必ずプラスとなるいいところがあります。

あちこちでマイナス評価を受けた人は、このチームが最後のとりで。ここで頑張らないと後がない状態です。僕だって会社に馴染めず、やっと異動してきたラジオ制作でダメなら、会社をやめるしかないと思っていましたから。だからとにかくメンバーの良い所を見つけ、褒めることでさらにいいところを引き出すようにしています。ポジティブに「あいつはそういうやつだからこそ、いいよね!」という感じで。

そもそもの話をですが、「就職する=チームに属すること」なんですよね。100点満点の人ばかりが集まるチームなんて存在しません。「現メンバーよりもいい人は」はどこかにいるかもしれませんが、そんな理想の人を追い求めていても仕事は前に進みません。。

欠落した部分はほかの誰かに埋めてもらえばいいんです。その分、自分も他の誰かのお互いを補い合える関係になれると、チームも必ず上手く回るようになりますから。

Lifeファン垂涎の的! 黒幕がセレクトする"文化系"良本3冊

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最後に、文化系インタビューということで、長谷川さんの座右の書を3冊教えてください(笑)。

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1冊目は『花のズッコケ児童会長』、児童会長選挙について描かれた作品です。いじめられっ子の皆本君がハチベエの応援演説をする際に、声を震わせながら、多数派の「正義」の暴力性を語るシーンに心を打たれます。僕自身、大文字の「正義」に対する違和感がずっとあって、皆本君の演説は大事にしたいと思ってます。大人になってから読んでも、多様性、リベラルとは何かを考えさせられるはずです。

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2冊目は、ブルース・チャトウィンの『パタゴニア』です。マジックリアリズム的に現実と幻想、回想と空想が渾然一体となってつづられる紀行文で、拡張現実的ともいえます。無理にこのインタビューに結びつけるなら、現実世界と同時平行に別の世界が見えているという構造そのものが、「あいつはそういうやつだから」枠の人が、いざというときに会社に別の価値をもたらす役割を担っていることと通じていると思います。

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3冊目は、橋本治『青空人生相談所』。ぼくは「上司には〜と言われたけど、長谷川さんはどう思います?」などとわりと相談を受けるほうで、できるだけ他の人とは違う視点を提供しようと思っていますが、本書の斬新で本質をついた回答には驚かされます。もしかしたら「あいつはそういうやつだから」枠というのは、こういう役割なのかと感じる作品です。

文:池田園子/撮影:橋本直己/編集:かにみそ(サイボウズ式編集部)

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