- 2014年08月19日 22:00
震災をきっかけにリクルートからNPOへ転職!NPO法人ETIC.諸希恵インタビュー
1/2会社員からNPO法人への転職。最近事例は増えつつありますが、収入面などで、まだまだハードルは高いようです。そんな中、転職に踏み切った人たちは、いったいどんなことを考え、NPOへの転職へ至ったのか。また、今後どんなことを目指して活動されているのか。
2013年10月に民間企業からNPO法人ETIC.に転職し、現在「震災復興リーダー支援プロジェクト」を通して東北の復興に取り組んでいる、諸希恵さんにお話をうかがいました。
NPO法人ETIC.諸希恵さん。ETIC.のオフィスにて。
リクルートでの広告営業経験から見えたもの
自分の武器を作るために、リクルートに入社
荘司:前職は株式会社リクルート(現・株式会社リクルートライフスタイル)とのことでしたが、新卒で入社されたのですか?
諸:はい、大学を卒業し新卒で入社しました。「私はコレが出来る!という武器を身に着けたい」という理由で、自身を成長できるフィールドだと感じたリクルートに入社しました。
リクルートでは、広告営業を6年半担当しました。飲食店に足を運び、経営者の方から思いを伺い、集客戦略を考えたり、実際にWEBページを作っていました。
集客したいという想いを持った飲食店のオーナーさんや一緒に働いている仲間の「期待に応えたい」と次第に思うようになり、「自分の周りの方、目の前で困っている方のお役に立つために」ということを意識して、日々営業していました。
前職の時の諸さん
震災復興へ携わることになったきっかけ
荘司:そこから現在のような震災復興に携わるきっかけは何だったのですか?
諸:震災復興に関わるきっかけとなったのは、震災から半年後に参加した、会社のCSR主催のボランティアツアーでした。「半年経った東北がどんな状態なのか見に行こう」そんな軽い気持ちで参加しました。
行く前は「半年経っているから瓦礫もなくなっているだろう」とイメージしていましたが、瓦礫は大量に残り、子どものおもちゃなどが土の中から出てくるなど、想像とかけ離れた東北の現状を知り、愕然としました。
現地の方の涙をみて、自分にできることを考えた
諸:その中で、一番心に響いたのは現地の方の言葉でした。現地で食事を用意してくださった現地のお母さんが、私達の帰り際に涙を流されたんです。
「ボランティアの方が来てくれないと、すぐ津波のことを思い出してしまう。みんながこうやって来てくれるだけで元気になるんだ。何もしてくれなくても良いから、またこうして遊びに来てね。」と、涙ながらに手を握られたことで、何か自分には出来ることはないのか・・・ とぼんやりと考え始めました。
社内を巻き込み復興支援、そしてETIC.へ
多くの人に知ってもらうことで、新しい動きを作りたい
諸:しかし自分ひとりがボランティアとして関わっても、お手伝いできることなんてたかが知れているし、人を動かせるような立場でもない。でも東北の今の姿や、現地のお母さん達のような人たちの声を、1人でも多くの人に知ってもらいたい。
多くの人に知ってもらえたら、私よりも力のある人たちが動き始め、そこから何か新しい動きが生まれるかもしれない。そう思い、ボランティアツアーを計画し、会社の許可も取らず、全国の社員にメール送りました。許可を取らなかったのは、後日怒られましたが(笑)思いを伝えたら、当時の社長もCSRの方も応援してくれました。その時は、「1人でも多くの人に東北の今を知ってもらいたい」という一心でしたね。
荘司:全国の社員を巻き込むなんてすごいですね!
諸:結局そのボランティアツアーは、3回開催し、全国から60人程度が集まり、東北に足を運ぶ機会を創出することができました。
有志で実施したボランティアツアーにて