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【読書感想】泡沫候補: 彼らはなぜ立候補するのか

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この新書を読んで、僕はちょっと考え込んでしまったんですよ。

彼ら、「泡沫候補の足掻き」は、観ていて微笑ましかったり、理解不能だったりするのですが、彼らと「当選していく候補」の違いは、どこにあるのだろうか、と。

それが「政治家としての資質や能力の違い」であれば良いのだけれど、結局のところは、所属していたり、支援してくれていたりする政党の力が無ければ、ごく一部のタレント候補以外は「泡沫」なんですよね。

その人が、どんなに立派な政策を掲げていたとしても。

それが「現実」であり、政党や組織のなかで、うまくやっていくのも「能力」ではあるのでしょう。

とはいえ、「面白くない選挙活動を粛々とこなせて、バックに大きな組織がついていること」が、当選するための条件であるとするならば、「面白みがない、無難な人」や「二世議員」ばかりになってしまうのが当然ではあるのです。

巻末の著者と『ドワンゴ』会長の川上量生さんの対談のなかで、川上さんはこんなことを仰っています。

川上:今の社会って「××したい」とあるベクトルに向かって明確なビジョンを持てる人は少ないと思うんですよね。世の中をすごく単純化して見て、ビジョンを持てる人はいるかもしれないけれども、実際世の中はそんな簡単でもないし単純でもないじゃないですか。おそらく世の中を変えようとするために必要な知識量を、ひとりの人間が得ることは、もはや無理だと思うんですよ。複雑すぎて。そうすると、逆説的ですけど世の中を変えていくのは根本的に「わかってない人たち」ですよね。世の中を変えられると「勘違いしている人」たちですよ。じゃあそういう人たちが実際に政治の世界に行って、勉強して、十分な知識量を身につけられるのかっていったら、それもまた難しいんだろうなって思いますね。

「面白い政治家」が出てくることを期待してしまうところが僕にはあるのですが、実際は「面白い人が組織に推されて出馬し、当選し、政治の世界でやっていく」ことは、難しいのです。

「勘違いしている人」がみんなを連れて行くのは、必ずしも良い方向とは限りませんし。

「なぜ、泡沫候補は出馬するのか?」というのは、知らなくても自分が生きていくうえでは、何のデメリットもありません。

 そして、この新書を読んでみても、その明確な理由というのは、よくわかりません。

 でも、「そういうこと」が気になってしょうがない僕にとっては、なかなか面白い本でした。

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