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2014年4‐6月期の実質GDPを冷静に分析した結果

 本年第2四半期の実質GDPの伸び率が明らかになりました。

 な、な、なんと…と言うべきか、それとも、ほぼ予想どおりと言うべきなのか…いずれにしても結果が出ました。第2四半期の実質GDPの伸び率はマイナス6.8%だ、と。

 どう思いますか?

 私が1週間ほど前に、今回の結果を予想した記事を書いていたでしょう?

 まあ、そうやって予め今回の結果を予想していた人々にとっては特に驚くような内容ではないのです…と言いたいところなのですが、一つだけ意外に思ったことがあるので、それを本日は披露します。(注)但し、プロの方にとっては、これから述べることも当然予想していたと思われます。

 先ずおさらいになりますが、4-6月期の実質GDPはマイナス6.8%(年率換算)になった訳ですが、具体的な数値でみると1-3月期の535.1兆円が4-6月期に525.8兆円のダウンしているのです。

 では、GDPの主な支出項目ごとにみると、何が足を引っ張っているのでしょうか?

 考えるまでもありませんよね。1-3月期は、消費税増税前の駆け込み需要が発生し、そして4-6月期にはその反動減が起きた訳ですから、個人消費がガクンと落ちているのです。

 表をご覧ください。

画像を見る
(内閣府のデータにより作成)

 前期に比べた落ち込み幅は、GDPが9.3兆円であるのに対し、個人消費は16.3兆円もダウンしているのです。

 ということは、それ以外の支出項目でプラスになっているものがある筈ですが、なんなのでしょうか?

 私は、てっきり公的資本形成、つまり国や地方公共団体の公共事業がプラスになっているのではないかと思ったのですが…公的資本形成は、マイナス0.1兆円と僅かですが減少しているのです。

 民間設備投資も1.9兆円減少しています。輸出も0.4兆円減少しています。

 では、一体何故?

 輸入をご覧ください。輸入も4.6兆円減少しているのです。

 しかし、輸入が4.6兆円減少しているということは、その分GDPを押し上げる要因になるので、だからGDPの減少幅は9.3兆円にとどまったということなのです。

 この辺のからくりは少しややこしいですが、個人消費が一定である一方で、輸入が増えるのならば、輸入が増える分、国内の生産が少なくなるのです。逆に言えば、輸入が減る一方で個人消費が一定であるのあらば、輸入が減った分国内の生産が増える必要があるのです(輸出の影響は無視していますので、その点ご了解下さい)。

 いずれにしても、今回のGDPの統計結果に世間は少しショックを受けているようなのです。

 消費税を引き上げるから景気が悪くなって当然だ、と。安倍政権は何を考えているのか、と。

 しかし、家計部門は、増税がなされたからといってそれほど財布の紐を絞めているようには見受けられないのです。それどころか、同じように支出をしている、と。

 確かに駆け込み需要が起き、そして、その反動が見られたのは事実ですが…

 過去3四半期の名目の個人消費をみてみましょう。

 2013年10-12月期の295.5兆円から2014年1-3月期301.6兆円、そして4-6月期の291.8兆円と推移している訳ですが、2014年に入ってからの半年分は、平均すれば296.7兆円となり、その数値は2013年10-12月期の水準を上回っているのです。

 結局、冷静に考えると、増税があろうとなかろうと国民の名目の支出額は、均してみればそれほど急に変化することはない、と。しかし、名目の支出が大きく変わらないということは、増税で物価が上がった分、国民の購買力が削がれるので、実質ベースでみた個人消費は物価上昇分減少することになるのです。つまり、その分実質GDPを押し下げる要因になる、と。

 では何故実質GDPを引き下げることが明らかな増税を行うのか?

 それは、結局、国が借金と引き換えにこれまでGDPを押し上げてきたことの清算をしていることに他ならないということに過ぎないのです。

 誰だって、実質GDPを引き下げるような増税に賛成したいという人はいないでしょう。しかし、過去の財政出動によるGDPの嵩上げの効果は、いつか仮に増税が行われるときには、チャラにする必要があるということなのです。つまり、実質GDPを引き下げるというよりも、これまで不自然にかさ上げされていた水準を本来のところに戻すものだと考える方が当たっていると思うのです。


 本日の話は、明るいところがないものですが、それが真実なのです。結局、借りたものはいつかは返す必要があるということなのです。但し、全額を今すぐ返済すべきだ、などというつもりは毛頭ありません。

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