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三重県への大雨特別警報で自治体間に対応の差

台風11号の接近で、三重県には9日夕方、全県下一斉に大雨特別警報が出ました。
特別警報とは、
「日本において、気象災害、水害、地盤災害、地震、噴火などの重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合に、気象庁が警告のために発表する情報。警報の一種だが、警報の発表基準をはるかに超えるような甚大な災害が発生するおそれがある場合に適用される。
2013年8月30日0時(JST)から運用が開始された。同年9月の京都府を中心とした大雨や翌2014年7月に猛烈な勢力で沖縄県に接近した台風など、既にいくつかの発表例がある。運用開始後当面の間は、原則として都道府県単位(ただし、北海道は7区分、沖縄県は4区分)で発表される。

特別警報が発表されるときは、経験したことのないような異常な現象が起きうる状況で、かつ、それまでの数十年間災害の経験が無い地域でも災害の可能性が高まっている状況である。

対象地域の住民は、直ちに命を守る行動をとることが推奨されている。
なお、「直ちに命を守る行動をとる」とは、必ずしもその場所から他の場所へと避難することを意味するものではなく、例えば、避難することが既に危険な場合は屋内のより安全な場所に移動するなど、各々が状況を見極めて適切な災害回避行動をとることを意味する」(Wikipediaより)。
政府は「空振りを恐れず」の方針で臨んだとのことですが、三重県には想定されたような大きな災害は起きなかったのは幸いでした。ただ、全市に避難指示の出た四日市市、鈴鹿市では住民に戸惑いもあったことだと思います。
新聞では検証記事が出るだろうと思っていたところ、朝日新聞が書いています。
記事に使用されたデータなどをもとにまとめてみます。


避難指示とは、避難準備情報、避難勧告、避難指示の3段階の中で最も切迫度が高く、「すでに災害が発生またはその可能性が非常に高い。まだ避難していない人はすぐに避難する」という自治体からの指示です。
避難勧告と用語上の識別が付きにくいですが、避難勧告とは「災害が起きる可能性が高い」という性質のものだそうです。

四日市市は県内最大の都市で、市内全域に避難指示を出すということは、全住民31万2610人が対象ということ。しかし、避難所は118か所しかなく、収容人数は2万9千人分。実際に避難所に来た人は470人だったということです。
市内全域に避難指示が出れば、どこへ逃げろというのかわからない。河川流域や裏山のある家、谷川や河川脇の道路など台風時の危険地帯ならいざしらず、高台の安全なところや頑丈なマンションに住まいを持つ人など、ピンと来ないでしょう。逃げる途中に道路への冠水などどんな危険が待ち受けているかもしれません。
住民は、そうしたさまざまな自主判断をした結果が、避難対象となった31万2610人のうち、実際に避難したのは470人だったということなのかもしれません。

鈴鹿市も、市内全域20万人に避難指示を出した。実際に避難したのはピーク時で275人だったそうです。
朝日新聞は「自宅周辺の田んぼの状況を見て大丈夫だと思い、避難しなかった」というコメントも拾っています。

四日市市と鈴鹿市は、「特別警報」と「避難指示」をイコールにしたのだろうか。
Wikipediaには、「「直ちに命を守る行動をとる」とは、必ずしもその場所から他の場所へと避難することを意味するものではなく、例えば、避難することが既に危険な場合は屋内のより安全な場所に移動するなど、各々が状況を見極めて適切な災害回避行動をとることを意味する」とあります。
住民自身の判断は、それに近かったものと考えられます。

大雨特別警報は、全県に発令された大雨特別警報でしたが、特に雨災害が心配されたのは津市より以北と、大台町や尾鷲市など大台山系がもたらす雨量の影響を受けやすい地域だったように思います。

朝日新聞が津市の前葉泰幸市長のコメントを載せています。
ドンピシャの場所に避難指示を出さないと、的確に避難してもらえない。きちんと準備すれば、的確に出されることがわかった
津市は、大雨特別警報の中でも、市内全域には避難準備情報を出すにとどめ、最高レベルの避難指示は雲出や安濃川など4河川流域4か所に限定したということです。
同市では昨年度までに地域防災計画を見直し、各河川の基準水位を決めて職員が訓練をしてきたと、新聞には書いてあります。

松阪市ではどうだったでしょうか。
地元紙・夕刊三重によると、松阪市の避難指示は雲出川、三渡川の流域には避難指示、中村川、名古須川、金剛川の中小河川流域には避難勧告と使い分けたということです。

2013年8月に採用されたばかりの特別警報が三重県に出されたのは初めてで、自治体には対応に差が現れました。今後、検証がなされなければなりません。

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