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「世界一安全な国を目指そう!」~警察のハイテク化、情報収集能力の向上、国際化を!

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 日本の対テロ能力向上のため、以下の3つが必要だ。

(1)独立した国内諜報機関の設立を。警察の情報収集手段の制約を取り払い、警察独自の情報収集力を強化へ。

 日本警察のテロ対策にとって最大の課題は、情報収集能力だ。

 通信傍受が使えず、会話傍受(屋内での諜報収集)も不可能であるため、テロリストと疑われる人物たちに対しても、警察は物理的な動静監視しかできない場合が多いのが現状だ。米国のFBIのような独立した諜報機関を創り、対テロ上必要な「新たな武器」を法令上明確に警察に与える必要がある。

(2)国内情報機関、海外情報機関との連携強化

 加えて、警察がテロ対策上必要な情報を他機関から集約することについても、日本では制約が多い。警察以外の機関が収集、保有しているデータへのアクセスを効率的に行えないため、組織犯罪等の捜査における機動性を低下させている。今後は、内閣情報調査室、外務省国際情報統括官、防衛省情報本部、警察以外の情報機関との連携をより強化すべきだ。

 テロ対策上は、海外の情報機関との連携も極めて重要だ。同盟国、友好国、国際機関との情報連携の強化、また、在外公館への警察アタッシェや防衛駐在官の派遣による諸外国の情報機関へのアクセス強化が必要だ。

 情報の世界もギブ・アンド・テイクだ。こちらに良い情報が無いと、彼らも出してくれない。だからこそ、(1)で述べた独自の諜報機関の設立が重要になる。また秘密が担保される保証が無いと貴重な情報を出してくれない。だからこそ、秘密保護法の制定はとても重要であった。

(3)水際対策強化のため国境警備本部の設置を!

 現在、日本には206万人の合法的在留外国人と、6万2千人の不法滞在外国人が存在している。最近では、身分を偽って在留許可を得ている偽装滞在者も増加している。今後日本が益々国際化していく中で、水際対策の脆弱性を是正していく必要がある。

 現在、内閣官房に「空港・港湾水際危機管理チーム」が設置され、空港危機管理官等の関係者が情報共有、合同訓練等により連携強化を図っている。こうした取組をさらに一歩進めるべきだ。 例えば、ドイツには、入国審査や沿岸警備、対テロ特殊部隊などを担当する連邦警察が存在する。日本でも、海上保安庁と法務省入国管理局との連携を強化し「国境警備連携本部」を作り、密入国外国人やテロ容疑外国人の出入国管理を行うべきであろう。

 まさに、慶応大学の神保謙さんのご指摘の通り、「警察庁警備部・警視庁公安部・公安調査庁はいずれも国内の暴力団、極左・極右団体、宗教過激派、反体制勢力などの捜査、情報収集を主として担当してきた。しかし、日本の治安・安全保障への脅威が国際化・多元化・ハイテク化していることに鑑み、公安警察のミッションや人事体系を大胆に改革する必要がある。海外の治安・情報機関との連携、人事交流、留学などを通じて、国際情勢認識と人脈に長けた人材を大幅に拡充する必要がある」のだ。

警察資源の選択と集中を進めよ!交通部門は警察組織から外部化し、捜査部門の能力強化と近代化を進めよ!

 今まで述べて来た通り、今後は、警察のハイテク化、諜報能力の強化、そして国際化をはかるべきであろう。だが、その資源は警察にあるのだろうか?

 諸外国の警察と日本警察を比較すると、その体制面での負担は過重といえる。

 警察官一人当たりの負担人口を比較すると、フランス~306人、ドイツ~336人、イギリス~372人、イタリア~218人、アメリカ~365人に対して、日本は499人。

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