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朝日新聞捏造報道に沈黙するTV局のチキンぶりはどうだ〜日本のマスメディアは醜い「打落水狗」のルサンチマン

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 3年前になりますが、鉢呂経産相の辞任会見で晒されたマスメディア記者による狼藉が話題になりました。

 「理由くらい説明しなさいよ!」

 「何を言って不信を抱かせたか説明しろって言ってんだよ!」

 辞任する哀れな大臣に対し、記者会見とは思えない乱暴な言葉が一方的に集中砲火のように浴びせられたわけです。

 デジャブ感、記者会見におけるこのようなマスメディアの醜態を私たちは何度見せられてきたでしょうか。

 本件はネットでさまざまな論争を呼びましたが、私はメディア論的視点で、日本のマスメディアが構造的に抱える問題点のひとつの醜い表出として本件を分析します。

 日本のマスメディアが権力に対して構造的にチキン(臆病)であるのは、欧米では禁止されたり制限されているクロスオーナーシップの弊害により、この国のマスメディアがメディア相互の監視チェック体制を持っていないことに由来します。

 この国では新聞はTVを批判できないし、TVは新聞を批判できません、マスメディアは系列化していますから、フジテレビ批判をたとえば朝日新聞がしたならば、ではお前のところのTV朝日はどうなんだと、他局批判、他紙批判はあらゆる面でほぼ100%自分のグループにブーメランしてしまうからです。

 そこは「同じ穴のムジナ」なのです、電波利権を独占し免許制度にあぐらをかくTV局、独禁法例外扱いの再販制度で事実上新規参入を締め出している法律で守られている新聞業界、ともに閉鎖的な法律に守られている特権企業です、彼らがそもそも彼らの利権に関わることで相互批判などできないわけです。

 このクロスオーナーシップの悪弊により日本のマスメディアはどこも似たもの同士の同業者からの強烈な批判・圧力を受けることはありませんから、基本的には、批判になれていません、従ってある種の自分たちに対する批判・圧力には非常にナーバスに身構えます。

 具体的に言えば許認可権を有する政府・官僚、広告収入の大顧客であるスポンサー企業、巨大広告代理店、全国的不買運動や政治的圧力を発する政治力を有する宗教団体や政治団体等、これらに対して日本のマスメディアはすこぶる弱腰になります。

 本来、マスメディアは欧米では「第四の権力」といわれ、巨大な権力を有する政府や大企業などの巨大組織に、正々堂々と批判的に対峙することが使命とされています。

 しかし日本のマスメディアは自分たちの独占利権を守るために、基本的に政治権力やスポンサー企業と親和的にならざるを得ないという、致命的な弱点を有しています。

 東京電力が地域独占企業にも関わらずなぜあれほどまでにTV・新聞の膨大な広告費をつぎ込んできたか、その答えがここにあります。

 ・・・

 強大な権力には臆病なチキンなのに、今回のようなある種の会見では被会見者に対して、ヤクザのように高圧的に阿婆擦(あばず)れるマスメディア記者の二面性は、どこからくるのか。

 「遺族の前で泣いたようなふりをして、心の中でべろ出しとるんやろ」

 「あんたらみんなクビや」

 「どんでもない会社や」

 「あんたたちは、ちゃんと仕事してるんか!」

 「覚えてないことはないだろう!」

 「あー、もう泣くのはいいから」

 「あんたらは107人、殺したんやぞ」

 「どの面下げて、遺族に会ったんや!」

 「命より仲間内の親睦なのか」

 これらの発言は9年前JR福知山線の事故を受けて、JR西日本の記者会見においてあるマスメディア記者がはいた暴言です。

 今回同様、品位のかけらも無いヤクザまがいの恫喝とも取れるフレーズが毎回の会見で飛び出しました。

 このときも世論は余りのマスメディアの横暴ぶりに大きな批判の声が出ます。

 実は今回の大臣に対する「説明しろって言ってんだよ!」発言と6年前の「あんたらみんなクビや」発言には、共通する2つの特徴があります、そしてそれこそがこの国のマスメディアのチキン体質を象徴しているのです。

 一つ目は会見対象者が社会的に「弱い者」であること。

 3年前はすでに引退を表明した大臣であり、失礼ながら大物政治家とはとても言えないお方であり、9年前はいかの大企業とはいえ100人を超える犠牲者を出した大事故の当事者JR西日本です。

 両者に共通するのはすでに社会的に十分に弱い立場である点です。

 言葉を変えればこれはマスメディアによる醜い「弱者いじめ」の側面があるといっていいでしょう。

 論より証拠、私たちはときの総理大臣や大物政治家に、その者がどんなに批判すべき対象であろうと、マスメディア記者が今回のように「説明しろって言ってんだよ!」と強烈に対峙したことは見たことがありません。

 真の国家権力に対峙することなく、彼らは小物に対してだけ強圧的に振舞うのです。

 二つ目の共通点は、暴言を吐いている記者が会見場において、社名・氏名をいっさい名乗らずに匿名性をキープしつつ発言していることです。

 3年前の大臣辞任会見においても問題の発言記者は大臣会見では社名・氏名を名乗ってから質問するというルールを無視しています。

 9年前の暴言記者もいっさい最後まで社名・氏名を名乗りませんでしたが、結局、週刊誌の記事により読売新聞大阪本社社会部遊軍T氏であることがわかります。

 週刊誌により自社記者の狼藉であることがばれた読売新聞社は、世間の批判に耐え切れず、紙面にて大阪本社社会部長名で全面謝罪に追い込まれています。

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