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GIGAZINEの「人間宣言」に対する共感と懸念

出張でへろへろになっていたんだが、その間に死人は出るわ某シャブ関連で大物の逮捕者は出るわで散々になってるところでGIGAZINEネタが。

【求人募集】GIGAZINEのために働いてくれる記者・編集を募集します

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100802_gigazine_job/

これは… ブラック企業としてのカミングアウトだとか、経営者としてどうなんだとか、さんざん言われているけれども、この編集長の言う「志」ってのが明文化されてないということを除いて死ぬほど正直なマネージャーなんだろうと思った。ことのついでに、何故かナタリーまで叩かれていて何だろうと思ったわけだが。

もちろん、「経営者たるものそういうことは言うべきじゃない」とか「マネージャーとして失格である」とか「それはブラック企業志向ではないか」とか叩かれるべき要因を併せ持つので、正直すぎる発言は禁物なんだろうが、ネットでの活動で一定以上にインディーから大きくなるとき必然的に持つある種の「壁」のようなものは厳然とあると思う。

ネットで人に読まれるものを書くと、多かれ少なかれ叩かれるんだけれども、ネットで叩かれずに無難に大きくなるというのはなかなか困難で、ある程度のところまでくると「ここの客層は捨てよう」という判断が働いてくる。迎合しても無駄だからだ。何にとって無駄かは、媒体によって異なる。ある人は商業誌へ執筆する際に良い読み手を持っていると思われるためのブログだったり、ある会社はメディアとして価値を高めたいのでPVを稼ぎつつお金を持っている人に影響力を与えてアフィリエイトで稼ぎたいと思っていたりする。だから、保守系雑誌に書きたい人は急進系の読み手の批判は屁とも思わないし、メディアとして広告主に良質なPVを売りたいと思っている会社は2ちゃんねるで批判されてもクライアントに対する風評が出ない限りは何も感じない。

ある程度、ネットも成熟してきたのでメディア側も読み手側も距離感がだいぶ分かってきて、いちいち釣りに反応しなくなったばかりか、一定の「島」からサーフィンして泳ぎ出ることも少なくなってきた。SNSやらソーシャルやらが流行しだすと、その傾向は顕著になった気がする。メディアと読み手の距離が近づいた分、読み手がメディアの出す情報の鮮度や質に敏感になったし、メディアも主要の客の嗜好をはっきり認識するようになった。これはウェブメディアに限らず、ウェブで顧客反応を知ろうとするあらゆるビジネスに共通して起きるジレンマになってきた。

今回のGIGAZINEの一件で山崎氏がキレたことは、GIGAZINEが成長するにあたって発してきた情報の熱量をより高めるどころか維持もできない状態に対する危機感を背景にしていると感じるし、それ自体は、私は健全なことだと思う。というか、意外と客の反応を真剣に感じていたのかなGIGAZINEと少し見直した。赤字のくせに。彼らが経営や組織論の理想と現実の乖離に身悶えしているログを見て、少なくとも私は共感した。社員って、経営者の思い通りには働いてくれないし、幹部ってものは仕事がうまくいくとだいたい裏切っていくんだよね。

だから、今回の件に触発されてGIGAZINEの古来から持つ熱量をより高めてくれるような書き手が現れることはGIGAZINEにとっても読み手にとっても良いことだと思うし、この際だから記事を書く際はちゃんと引用元を明らかにして、不確かなものはせめて電話取材して、専門的でないことは参照リンクをつけて、クソのようなPV稼ぎ釣り記事を減らして欲しいと願っています。

で、ウェブである程度仕事をしている人なら良く分かっていると思うけれど、GIGAZINEというのはこの手のブログカテゴリーでは上位3位に入るPVを誇る大型メディアになってる。某セプテーニとか某DACとか経由で広告だそうとすると、結構な費用がかかるわけだね奥さん。当然、広告主としてはGIGAZINEを選択する場合に、ウェブ界隈で話題になったりマーケティング上バズ的に有利な仕掛けを考えるか、実際に財布を開いてくれる読み手に直接情報が届くかといったアプローチで考えるわけだ。

ところが、比較的親和性が高いと思っていたデジタルコンテンツ系や、ジャンクフード系の情報提供といったところでご一緒した限りにおいていうと、mixiやニコニコ動画同様、大量のアクセスはやってくるんだけど実際の購買には何一つ結びつかない事例だけが残った。少なくとも、GIGAZINEの読者は、GIGAZINEの情報でモノやデジタルコンテンツを買う判断は下してないってことだね。

GIGAZINEにとっては大きなお世話だと思うのだが、どうせ今回人を入れ替えて大きな改変をやるのであれば、膨大なPVはそのままに、もっと読み手のクオリティに訴えかけるような仕組みを何か考えたらいいんじゃないかと。赤字を憂えているようだけど、メディアシートに書かれているPVが正しいのなら、間違いなく日本有数の大ウェブメディアであって、しかもブログ形式のメディアに今後大きな伸びしろは残されていないようにも見えるので、正直この手のメディアはラストチャンスだと思うんだな。

最近採算が合わなくてしめやかに事業譲渡されるウェブメディアが多い中で、インディー系成り上がり媒体としてのGIGAZINEは貴重だと考えているので、頑張って欲しいと。もう広告出さない私に応援されたくないだろうけど。

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