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SELECTY(セレクティ)にみる、女性が記事を「シェア」する心理

最近、複数の僕の周囲の男性からSELECTY(セレクティ)というメディアの記事が面白いという話がありました。サイバーエージェントが運営するアラサー前後の女性をターゲットとしたキュレーションメディアなのですが、なぜか男性の僕らにも刺さるのです。

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あっ、男性だけでなくお姐さまもいました…。

僕もこういう記事とか刺さりました。「何しに来たの?」「キスしに来た。」時を越えて恋したくなる月9ドラマの名ゼリフ集

リンク先を見る北川景子が好・・(ry。なだけではなく、他のメディアでは見かけない切り口で面白いなと。ドラマ好きには刺さりそう。男性の僕らにも刺さるのですが、男性よりも女性の方がソーシャルメディアでのシェアのハードルが高いという感覚があります。当然、SELECTYの記事をシェアするのは女性のはず。

コンテンツの切り口や女性が記事をシェアする心理を探るべく、SELECTYプロデューサーの山崎ひとみさんに鰻を食べながら伺ってきました。

SELECTYは、大人女子の毎日をアップデートするメディア

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SELECTYは都市部で働く女性をターゲットに、毎日をアップデートするような情報を届けるメディアを目指しています。女性なら女性誌を読むと幸福感を覚えることがあると思います。読んで実用的で、明日もまた頑張ろうと思える。そんなコンテンツを提供していきたいです。(山崎氏)

2014年5月20日開始のSELECTYは開始2ヶ月での累計UUが約100万。編集部を置きつつも執筆は社外キュレーターが担う。キュレーターは応募が多く、アメブロでブログを書いていた経験がある人が多く、プロのライターではなくてもライティングセンスが光る人が少なくないという。

気鋭のCA女子陣による生々しすぎる編集会議でのネタ出し

今回の取材目的はなぜか男性たちにも刺さるコンテンツの製造方法を知ることである。聞くと社内でも有数の情報感度が高いCA女子5人くらいで毎週編集会議をしているという。

普通の女子会のようなノリで編集会議をしています。社内には情報感度が高い(ミーハー)な子が多いので、週末に海に行ってきたという話から、ビーチウェアはこういうのがいいとか、彼女たちの日常生活からコンテンツを拾い、記事化していっています。ネタ出しから記事化で採用される確率はかなり高いですね。(山崎氏)

SELECTYにはCA女子の生々しいライフスタイルが見え隠れしているといえるだろう。

季節ごとの女性の心理に合わせたコンテンツ配信を心掛けています。例えば、8月の1週目や2週目に女性はどんな心理か。花火大会の季節で浴衣を着たい。そういう時期にレンタル浴衣の記事を出すといいのではないか。この記事はソーシャルはさほど伸びていませんがPVはそこそこ伸びました。シェアするほどではないが、実用的ということで読まれたのかと思います(山崎氏)

参考までにSELECTYでのPVランキング10位までの記事を教えていただいた。1位のスタバの記事は約20万PVとのこと。

■SELECTY PVランキング

1位:実は日本にある『世界一美しいスタバ』の”美味しすぎる”人気裏メニュー
2位:【美貌のテラスハウス新メンバー判明】山中美智子さんが社長!水着ブランド「ALEXIA STAM」が大人可愛い♡
3位:『地上の天空』ウユニ塩湖で誓う、魂が震えるほど美しいウエディング
4位:新作映画リトルマーメイドに両性具有の男性モデルを起用したソフィア・コッポラに注目
5位:「私と結婚すると楽しいと思うんだけどな」女性からも素敵!心に残る有名人のプロポーズエピソード
6位:女が最高値で売れるのは27?!恋愛ドラマ「やまとなでしこ」より。女の子が思わず頷いてしまう名言集
7位:浴衣デートでドキっとさせる♡知っておきたい”ちょっとユニークなモテ仕草”6つ
8位:ハーマイオニーを超えて大人な女性に話題のit girlエマ・ワトソンに学ぶ、ファッション&メイク
9位:大人の女性も持ち合わせておきたい!男にウケるけど軽く見られない“隙”の作り方
10位:毎年ちがう色で魅せたい。着付けもヘアアレンジもできる「浴衣レンタルのすゝめ」

PVランキングからどんなコンテンツが数字が取れるか傾向が読み取れます。スタバネタはどこでも鉄板で数字が取れるのでSELECTYである必要はないですが、テラスハウスネタは時事性もあり媒体にもマッチしている印象。

SELECTY読者にドンピシャなのは、やまとなでしこの記事とかかな。女性のValuationの最高値が27歳とかいう話は13年前ならいざ知らず、現代で主張していたら殺されそうな話です。ちなみに、山崎氏は27歳で結婚したとのこと。最高値で売り抜けましたね。

等身大じゃないとウケない?女性がシェアしやすい記事とは

今回の取材の中で気になったキーワードが「等身大」。

ターゲット読者にとって等身大なコンテンツがウケが良いということに運営を通して気づきました。カフェとかちょっとご褒美とか、そういう身近なネタがよく読まれます。SELECTYでは「その日その読者を幸せにしたい」というコンセプトも持っいます(山崎氏)

日常の中にある何気ない物事を視点を変えて紹介することで、読者に気づきを与える。ロブションなどの3つ星フレンチ5選!という記事よりも、恵比寿で癒されるカフェ5選の方がシェアしやすいだろうし、実用的だ。ロブションの記事に「行きたい♡」とか付きでシェアしている女性は、周囲から「お、おう。。乙」と思われているでしょう。

一般的に男性よりも女性の方がソーシャルメディアでのシェアの敷居が高い印象がある。どんな記事であれば女性はシェアしているのか。

思い付くのは2つあります。1つは誘われやすいコンテンツ。「ここ行ってみたい!」「こんなお酒飲みたい!」とか。2つ目は「実は日本酒が好きで。」などの「実はこんな私」という心理をソーシャルでPRしたい心理もあるのではないでしょうか(山崎氏)

1つ目は誘われビリティが高いコンテンツ。当然ながら「ロブション行きたーい♡」では彼氏か(その手の)パパ以外から誘われることはない。ところが「餃子食べたい♡」だったら、「あ、餃子でもいいのか。じゃあ誘ってみようか」と会社の同僚レベルからでも誘われやすい。現にVERYで「あえて白シャツで餃子を食べる」というコンテンツが一部でセンセーショナルであると話題になり、それを拡張した餃子記事があり、そこそこPVが取れていそうだ。

2つ目の「実は」というのも女性のシェア心理をそそるコンテンツのようだ。この例として挙げられたのが、オシャレな子が密かに通う低価格”ブランド古着”のある店という記事。山崎氏曰く「私は実はお洒落にこだわっている」という心理でのシェアが伸びやすいのではないかという話があった。

僕から見るとこの記事は「低価格ブランド古着」という点がポイントで、「お洒落な子が密かに通う表参道のハイブランドブティック5選」では全然バズらない。「ご褒美にバーキン♡」とかシェアしていたら痛いだろう。「実はお金がかかっていない」という点が好印象を持たれてドヤれるポイントなのだ。

今後拡散が見込めそうな記事の種類として山崎氏は「賢い」コンテンツを挙げていた。SELECTYの読者には賢い女性でいてほしいようで、その手のコンテンツを拡充するようだ。現にトレンダーズ経沢氏の自己啓発系の記事がわりと読まれている。

等身大のコンテンツをどう捉えて女性はシェアしているのか

コンテンツと記事をシェアする心理。この二点を最後にまとめます。

■アラサー女性の等身大のコンテンツが結果的に男性にもウケる

冒頭で男性ウケが良いと紹介したSELECTYの記事ですが、女性誌の(広告主との力関係により)創られたコンテンツよりも、よほど生々しさがあります。ハッキリ言ってしまうと、校了〆切などで疲弊している女性誌の編集者が考えるコンテンツよりも、実際に女性誌のコンテンツを享受したライフスタイルを送るCA女子の考えるコンテンツの方がリアリティに溢れており、結果的にどの女性誌よりも「等身大」なコンテンツに仕上がっている。

あー、ドラマの話してたよな。とか花火行きたいとか言ってたよな。という等身大の女性の姿を我々男性も身近で見ているので、そういうコンテンツが刺さりやすいし男女間でも共有して共感しやすいのではないか。「等身大」という観点では構造上、SELECTYはどの女性雑誌よりも等身大といえるのだろう。

■「シェア」のハードルが高い女性がそれでも「シェア」したくなる記事

1:「誘って欲しい!」というインバウンドマーケティング的な心理
2:「実はワタシ、こうなの!」という「あえてね感」
3:少し知的に見える(見せたい)という心理

3は男性が「俺、ビットコインわかってるぜ」というドヤ感と共にシェアする「知的な俺。」という心理で男女差はそんなにない。1と2のような心理は、男性と比較して女性の方がその欲求が強い心理といえると思う。

コンテンツとシェアする心理の両輪を鑑みると、普段CA社内で交わされている会話がブラッシュアップしてコンテンツに乗ってくると面白いんだろうなと。社内でオープンに話題になるようなネタは、シェアラビリティ(造語ですがシェアされ得る力が強い)の高いコンテンツなのでしょう。実はあのスタバいいよ!などのネタはオープンに会話するのにもってこいです。

サイバーエージェントにしては珍しい自社の資産(リア充感)を活かした事業であり、知的EXILEなDeNAにSELECTYの運用はできないよなと思いました。DeNAには「ビットコイン知ってるぜどや!」的な知的メディアを立ち上げることをお勧め致します。

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