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紛争鉱物規制 問われる企業の社会的責任

知らない間に、世界で起きている紛争の加担者になっているかもしれない―。

長らく紛争が続くコンゴ民主共和国と周辺地域から産出されるタンタルやスズ、金、タングステンは、武装勢力が違法に資金源としていることから、「紛争鉱物」と呼ばれる。これらは、携帯電話やパソコン、テレビといった電子部品や宝飾品の原材料として不可欠で、身近な製品に使われている可能性もある。

いち早く規制に乗り出した米国は、2010年に金融規制改革法を成立させ、米国市場に上場する企業全てに、紛争鉱物の使用状況を米証券取引委員会に報告するよう義務付けた。今年6月初頭が初の期限だったが、日本企業もその対応に追われたという。

対象となる日本企業は5社だが、海外企業へも部品を供給している中小・小規模企業まで含めると膨大な数だ。その全てで、調達ルートを製錬所までさかのぼり確認しなければならず、作業は容易ではない。例えば、スズは電気製品に不可欠な“はんだ”の原材料だ。これを、紛争鉱物不使用だと証明することは極めて困難だ。この問題で、今年11回の説明会を開催した電子情報技術産業協会は、「中小企業にとっては大きな負担」と漏らす。経産省にも、中小企業からの問い合わせが相次ぐなど、影響の大きさを示した。

とはいえ、ある世界的半導体メーカーは、今年発売する全ての電子処理装置から紛争鉱物を撤廃すると宣言した。米議会での規制の動きを先取りし、部品供給ルート全ての調査を数年がかりで行ってきた自信の表れだが、その企業姿勢は国際的に大きく評価されており、見習う点は多い。

欧州連合(EU)でも、米国での規制を補完する内容の紛争鉱物規制法案が提出されている。闇に紛れて流通するルートをあぶり出して、紛争を防ぐルール作りが広がりつつあることは間違いない。

企業のグローバル化に伴い、紛争鉱物以外にも奴隷的労働や人身売買、食品安全、租税回避といった問題を巡り、企業の経営姿勢と社会的責任が今、強く問われている。

政府も、経済界と連携して「責任ある調達」に対する一層の支援を急ぐべきだろう。

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