- 2014年08月01日 15:13
本当に日本人に「自画自賛症候群」が広まっているというのか?〜あまりにも表層的主観報道であり悪意すら感じてしまう東京新聞記事
1/3さて今回は東京新聞の「近ごろ日本を覆う「自画自賛」症候群は何の表れか」と題する興味深い記事について検証いたしましょう。
まずは言葉の意味を整理しておきます。
自画自賛
【意味】自画自賛とは、自分のした行為や自分自身を褒めること。自画自讃。「自我自賛」と書くのは間違い。
【自画自賛の語源・由来】
自画自賛は、東洋画の詩歌・文章に由来する。
東洋画では、その絵画に関した詩文を記すこと、また詩文そのものを「画賛」「賛」と言い、普通は他人に書いてもらう。
自分で書いた絵に「賛」を書き入れることを「自画自賛」「自画賛」といい、自画自賛の絵画の中には、他人からも立派な作品と評価されているものがあり、現代のように悪い意味で使われていたとは限らなかった。
東洋画での「賛」に「褒める」の意味は含まれないが、「賛」の漢字自体には「褒める」の意味もあるため、「自慢」のような悪い意味で使われるようになったと考えられる。
語源由来辞典より
http://gogen-allguide.com/si/jigajisan.html
うむ、自画自賛とは本来東洋画において「自分で書いた絵に「賛」を書き入れること」を意味し、必ずしも「現代のように悪い意味で使われていたとは限らなかった」とのことです。
30日付け東京新聞記事から。
近ごろ日本を覆う「自画自賛」症候群は何の表れか
2014年7月30日
近ごろ、本屋に立ち寄ると、気恥ずかしくなる。店頭に「日本人はこんなにすごい!」という「自画自賛本」が平積みにされているからだ。この国から「奥ゆかしい」とか「謙虚」といった感覚が急速に消えていっているように感じる。だが、そうした違和感を口にすると、どこからか「自虐だ!」という悪罵が飛んできそうだ。いったい、これは何の表れなのか。日本社会の美徳が崩れてはいないか。 (荒井六貴、林啓太)
(後略)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014073002000150.html
記事全文は有料扱いなので関心のある読者は是非直接リンク先でお読みください。
うむ、店頭に「日本人はこんなにすごい!」という「自画自賛本」が平積みにされていることをもって、「日本社会の美徳が崩れてはいないか」と問題提起しているわけです、「そうした違和感を口にすると、どこからか「自虐だ!」という悪罵が飛んできそうだ」との皮肉を交えつつです(苦笑)。
このように朝日や毎日や東京などのリベラル系メディアによる「日本批判」「自虐」系記事は、すぐに海外に拡散されます。
本記事も早速31日付け朝鮮日報記事に取り上げられます。
日本社会に広まる「自画自賛症候群」、背景に韓中の成長
日本は今「『自画自賛』症候群」
放送・出版界、日本の優越性を強調…天皇制・靖国神社も賞賛
「原発事故や周辺国の勢力拡大に余裕のなさ露呈」
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/31/2014073101564.html
記事は「日本人はたとえ表面上だけであっても、謙虚さを失わないことを「最高の美徳」としてきた」との文章で始まります。
日本人はたとえ表面上だけであっても、謙虚さを失わないことを「最高の美徳」としてきた。この謙虚さは経済力と共に、世界で日本が尊敬される重要な要素でもあった。ところが、その日本の美徳が急速に失われようとしている。世界で日本は最も優れていて、最も尊敬される国だと触れ回る「『自画自賛』症候群」が日本社会に広がっているためだ。
- 木走正水(きばしりまさみず)
- 新聞・テレビの報道分析が高い評価を受けている。