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「衆議院選挙制度に関する調査会」 衆議院の制度だけでなく参院とセットで論ぜよ

■一票の格差是正に勇断を奮う答申を

29日、伊吹衆院議長が衆議院の選挙制度改革を検討する第三者機関「衆議院選挙制度に関する調査会」のメンバーを提示しました。今後、衆議院の現行制度の評価や、一票の格差、定数是正について議論するそうです。いわゆる0増5減法案が成立し、少しは一票の格差が是正したかに見えますが、改正後ですでに格差2倍を超える選挙区が14もある状況です。一票の格差があることによって、単に過疎県と人口が多い県との格差が生じるだけでなく、世代間格差も引き起こしています。相対的に過疎県の高齢化率は高く、人口が多い都市部の高齢化率は低い傾向にあります。過疎県の議席配分が多いことが、結果として現役世代や若者世代の声を薄め、かき消していると言えます。この際、議会ではやりきれないほどに本質的に区割りを見直して、一票の格差を限りなくなくす方向での提言を期待したいと思います。

■衆参セットで改革を論ずるべき

今回、衆議院の選挙制度を議論するわけですが、本来は参議院の制度とセットで論じ、役割を明確にしながらバランスある議会構成を考えるべきです。一票の格差問題は、参議院でも議題となり、県境を越えた合区案など提起されていますが、この案が何らかの合意を持って成立をしたとしても、合理的な案と評価されることはなさそうです。そもそも、参議院は戦前の貴族院が改組されて新たに公選制の下での歩みを始めたわけですが、熟慮された理念に支えられた選挙制度になっているとは思えません。衆議院もそうですが、実際に選ばれた議会人が、自分の身分を左右しかねない選挙制度に関し、主体的に決めることは相当困難だと思います。2012年2月に、一票の格差問題に結論を出せずに違憲状態を招いた民主党政権と野党各党の情けない姿が、本人らで決める難しさを象徴していたと言えます。今回は衆議院のみの議論となりますが、近未来に、参議院の制度と二院のあり方、さらに言えば地方議会のあり方をも含めて議論される日がくるべきです。

⬛私案

衆院は県境を超えた小選挙区制、参院はブロック大選挙区制
あくまでの私案として示すのは、まず衆議院は、県境をまたいだブロック毎に定数を配分した小選挙区制です。鳥取一区、二区と今区割りしているものを、中国四国一区、二区とするとします。そうすることで一票の格差は1.2未満にすることができます。
一方の参院は、ブロックごとの大選挙区ないし比例区とします。こうすることで、中小政党にも議席獲得のチャンスが広がります。
これらを組み合わせ、二院が個性を発揮しながら民意を形成する、バランスある構成が期待できます。

選挙制度論は、何だかテクニカルに見えてしまい、普通の市民の方々には興味は薄いのかもしれません。しかし、制度によって反映される民意は変わってきます。より多くの方に興味を持ってもらいたいものです。

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