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iPhoneの出張修理と買取でライセンスビジネスを構築した「iCracked」

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そのとき、学生を対象にiPhoneの修理ビジネスを始めれば、意外と稼げるのではないかという考えが閃く。iPhoneのスクリーンを壊す事故は、キャンパス内でしょっちゅう起きていたからだ。

しかしこのアイデアを実現しようと、彼が動き出したのは翌年のことだ。卒業までの期間が1年余りとなったフォーサイス氏は、父親から「卒業後の仕事についてそろそろ真剣に考えないとまずいぞ」とせっつかれ、キャリアフェアに足を運んでみた。

企業に履歴書を提出して応募するチャンスだったが、会場に着いて5分もしないうちに、これは自分には向かないと感じ、持参した30枚ほどの履歴書をまとめてゴミ箱に捨てて、その場を去ると、図書館にこもって、iPhoneの修理ビジネスのアイデアを実現するための計画を練った。

Appleストアなど競合が存在する中でこのビジネスを成功させるには、カスタマーサービスの質と並んで、価格面でも競争力が必要なことは明らかだった。

そこでオンラインのマーケットプレイスであるAlibabaで交換用のスクリーンを低価格で供給してくれる業者を探した。中国や香港の業者に発注してみたが、約束とは違う商品が納入されることや詐欺に会うことも多々あり、信頼できる業者6軒に落ち着くまでに、30以上の業者を試さなければならなかった。

その後、友人に20ドル(約2000円)を払って、iPhoneの修理業を始めたことを宣伝するチラシをデザインしてもらい、キャンパスのあちこちにそのチラシを掲示した。facebookページとtwitterアカウントも作った。すると翌日、5件の問合せがあった。

フォーサイス氏は自室を作業場にし、授業や他の予定の合間を縫って修理を行った。iPhone 3G/3GSのスクリーンまたはLCDの交換には75ドル(約7500円)を顧客に請求し、1時間足らずの作業で40ドル(約4000円)の利益を上げた。

その夏、友人のAnthony Martin(上写真左、以下マーチン)氏が合流し、2人で7月にサイトをオープンした。教科書をレンタルするビジネスを起業して利益をあげていたマーチン氏はこのとき1万ドル(約100万円)を出資している。

2人は事業を拡大するためには、1つの大学のキャンパスに留まってはいけないと考えた。フォーサイス氏が立ち上げた修理ビジネスは、修理を担当する人材さえいれば、他の大学でもそのまま再現することが可能だ。ここで「ライセンス・アフィリエイト」というビジネスモデルがiCrackedに適していると考えついた。

2人はクレジットカードでさらに4万ドル(約400万円)をこしらえ、交換部品や包装資材を購入し、翌年、スタートアップにより有利なシリコンバレーに引越すと、人材を確保のために、学生たちに勧誘電話をかけまくった。しかし返ってきたのは「iPhoneの修理をすることに興味はない」という回答ばかりだった。

"大学生を雇用しようとしたのは間違いだった。彼らはビール代を求めていただけで、まじめに働こうという姿勢ではなかったんだ。"
- フォーサイス氏

マーチン氏の発案で、2012年冬にスタートアップ養成スクールのY Combinatorに応募した結果、受け入れられ、メンターから指導を受け、15万ドル(約1500万円)の投資金も獲得した。Y Combinatorに参加したことにより注目がアップしたおかげで、iTechに応募する人が急増し、2012年1月には60人だったiTechは同年春には125人まで増大した。

現時点(2014年7月)では、iTechは536人になっているが、フォーサイス氏はさらに増員を続け、このサービスの需要のある世界中の都市それぞれに最低1人配置できるまで拡大したいと語っている。

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