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NYタイムズが大麻合法化ディベートを開始

米国はかつて、禁酒法を撤廃するのに13年かかった・・・こんな書き出しで始まる社説を巻頭に掲げて、ニューヨークタイムズが大麻合法化ディベートの特集を掲載し始めました。巻頭記事のタイトル「禁止撤廃をもう一度Repeal Prohibition, Again」は、現在の連邦法による大麻禁止策と、かつての禁酒法(Prohibition)を重ね合わせて、その撤廃を呼びかけるものです。

リンク先を見る
↑NYタイムズの特集より

http://www.nytimes.com/interactive/2014/07/27/opinion/sunday/high-time-marijuana-legalization.html

その巻頭言は、「連邦政府は大麻禁止を撤廃すべきである。各州での大麻法制改革の急速な動きに対応して、タイムズ編集委員会での長い議論を経て、我々はこの結論に至った。」と宣言します。

この記事が掲げる主な主張を拾い出してみましょう。
・大麻使用が成人にもたらす害は比較的軽度なものだが、いっぽう、大麻を犯罪化することにともなう社会的損失は大きく、多くの若者の人生を台無しにしている。
・2012年中に大麻所持で658,000 人が逮捕され、しかも逮捕者は若年黒人男性に偏っており、次世代の犯罪者予備軍を生み出している(コカイン、ヘロイン及びその派生物での逮捕は256,000 人)。
・大麻が若年者の脳の発達に及ぼす影響については合理的な懸念があり、その理由から、我々は21歳以下に対する販売禁止を支持する。
・大麻の製造、販売を管理するシステムは複雑なものになるだろうが、解決可能な課題である。

2010年ころから大麻合法化議論が全米を巻き込んできたなかで、多くが語られてきましたが、この特集は、これまでの報道とは一線を画しているように思えます。大麻合法化を真正面からとらえ、アメリカ国民に向かって議論を挑みかけるような語り口に、私は思わず引き込まれてしまいました。久々に、ジャーナリズムの底力を見せつけられた気がしています。

しかし、記事が指摘するように「連邦議会は、他の大問題でもそうであったように、大麻問題に関して動きそうにない」なかで、この特集がどこまで世論を盛り上げるか、これからの展開に期待しつつ、次回では、第1回目の記事「各州に大麻の決定権限を」を読んでいきたいと思います。

[参照]
①NYタイムズの特集「潮時:大麻合法化特別編集版シリーズ」
The New York Times/ High Time: An Editorial Series on Marijuana Legalization
http://www.nytimes.com/interactive/2014/07/27/opinion/sunday/high-time-marijuana-legalization.html?action=click&contentCollection=Opinion&module=RelatedCoverage&region=Marginalia&pgtype=article

②特集の背景について
The New York Times/ Some Background on Our ‘High Time’ Series(JULY 26, 2014)
http://takingnote.blogs.nytimes.com/2014/07/26/some-background-on-our-high-time-series/

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